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「痩せたいなら食器を小さくする!」


 お世話になります。孫平です。



 今回は、食心理学に関するお話です。





 


食器を小さくすれば食べ過ぎを予防できる


 ペンシルバニア大学のアンドリュー・ゲイアーが、あるアパートの廊下で行った実験(R)では、




・粒チョコレートを入れた深皿を台にのせ、横にスプーンを置いて、「このスプーンですくってお好きなだけどうぞ」と書いたカードを添えておいた




・スプーンの大きさは、日によって変えた




・その結果、スープ用の小さなスプーンを置いた日に比べて、その4倍の大きさのスプーンを置いた日は、粒チョコの減り具合が2倍になった




そうです。





 スプーンが大きくなったのだからそんなの当たり前だろと思う方もいるかもしれませんが、冷静に考えれば、小さなスプーンでも何杯もすくうことはできますし、大きなスプーンでも控えめに取ることはできるわけです。




 それにも関わらずこのような結果が出たということは、私たちの食べる量は明らかに、使用する食器の大きさに影響されていると言えます。




 確かにビールの量が同じだとしても、ジョッキに4分の1しか入っていないと確実に物足りなく感じますし、小グラスになみなみ入っていれば、いっぱい入っているなあという感覚になります。




 同様にライスの量が同じだとしても、どんぶりに4分の1しか入っていないと確実に物足りなく感じますし、小さなご飯茶碗に山盛り入っていれば、いっぱい入っているなあという感覚になるでしょう。




 どうやら私たちは、自分たちが思っているよりも視覚による影響を強く受けているようです。




 つまり、たとえ同じ量でも見た目の印象が、大きな食器に半分しか入っていなければ「少なくて物足りない」と感じ、小さな食器に山盛り入っていれば「たくさん入っていて満足」と感じるわけです。







 これを踏まえると、痩せたいと思っている人は、




・茶碗、お皿、グラス、スプーンなどを、一回り小さいサイズに変更する




・サラダなどの野菜は、大きなお皿に盛ったり、わざと嵩を出して山盛りに見えるように盛る




といった工夫をすれば、食べ過ぎを予防できるかもしれません。




 言われてみれば、肥満大国と言われているアメリカの人たちが食べている食べ物や飲み物のサイズは、だいたいBIGですよね。









ダイエット系食品がかえって食べ過ぎを招く


 オランダはティルブルフ大学のコルホ・ド・ヴァーレによると、ダイエット系食品(カロリーオフ、低脂肪、ミニサイズなどの飲食物)を日常的に摂取している人は、普通の飲食物を摂取している人よりも、総摂取カロリーが多いそうです。




 その理由として考えられるのは、




・ダイエット系食品でカロリーを抑えているから、多少は好きなものを飲み食いしても大丈夫だろうという慢心のせいで、結局食べ過ぎたり、カロリーの高い食品を摂取してしまうため




・ダイエット系食品を日常的に摂取している人は、そもそも肥満であったり、痩せたいと思っている人が多く、もともとの総摂取カロリーが普通の人よりも多いため




などが挙げられると言います。





 確かに、カロリーゼロのコーラを飲んでいるからポテトチップスのBIGサイズを食べてもいいだろうとか、カロリーの少ないおつまみにしているからビールを何杯も飲んでもいいだろう、といった考えはけっこう陥りがちなものではありますが、それでは総摂取カロリーが高くなるのは言うまでもないですからね。





 おそらく私たちがダイエット系食品に手を出すときは、高カロリーで美味しいものを食べるための言い訳にしようとしているかもしれませんので、そのあたりを自覚しておくことは大切でしょう。








食べ物に関する情報を知らない方が美味しく感じる


 芦田愛菜さんは、食品の裏に表示されている原材料などの情報を読み込んでしまうぐらい活字中毒らしいのですが、私も子どもの頃からずっとその癖があります。



 ただ私の場合は活字中毒というわけではなく、人と話すのが苦手で、一人ですることがなくて仕方なくそうして時間を潰していたら癖になっただけです。




 それはさておき、ユタ州立大学のヒマンシュ・ミシュラによる、新商品のチョコレートの試食実験(R)では、




・参加者を、成分やカロリーなどをすべて表示したグループと、成分だけを表示したグループに分けて試食してもらった




・その結果、チョコレートの詳細な情報を見せられたグループでは、「おいしくない」「友人にも勧めない」と答える人が多かった




そうです。




 成分やカロリーだけでなく、原材料、原産地、遺伝子組み換えの有無、添加物、農薬の有無など、調べれば調べるほど、知れば知るほど、その食品に対する不満が大きくなるとのこと。




 食べ物の情報を調べれば調べるほど、その食べ物の欠点が目についてしまうわけです。




 普通に考えれば、世の中に完璧な食品など存在するわけもなく、私たちはどこかで妥協しながら食べ物を選ばなければなりません。




 ある程度までなら健康に良いものを選ぶ判断基準として参考になるかもしれませんが、食べ物の情報を調べ過ぎる行為というのは、絶対に見つからない完璧な食品を探す、不毛な旅に出ることに他なりません。




 一つや二つ自分のこだわりをもつ分には構いませんが、あまりに情報を調べ過ぎると、食事もおいしくなくなるし、食事から得られる幸せも減ってしまいますので、情報収集はほどほどに。






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