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「実践!マインドフル・セルフコンパッション」


 いつもお世話になります。孫平です。



 「マインドフルネス」とか「セルフコンパッション」という言葉を、最近耳にすることが多くなりました。




 聞いたことはあるけど、それがどういう意味なのかよく分からないという方も多いと思いますので、まずはそのあたりからおさらいしていきましょう。








セルフコンパッションとは?


 「セルフコンパッション(自分への思いやり)」を分かりやすく説明するならば、「親友に接するように自分にも接すること」という表現が一番しっくりくるでしょう。




 これまでの研究では、セルフコンパッションのレベルが高い人ほど、人生への幸福度や満足感が高く、人間関係や身体的な健康状態が良く、不安や抑うつ傾向が低く、ストレスフルな出来事に立ち向かう力(レジリエンス)が高いということが分かっています。




 基本的には冒頭のようなイメージを持つだけでもOKですが、より正確に言えば、「セルフコンパッション」の中には3つの中核要素があります。






①自分への優しさ


 自分の欠点に気づいたときに厳しく批判するのではなく、自分を励ます。自分を欠陥品であると非難するのではなく、無条件に温かく受け入れる。友人に優しくするのと同じように、自分自身を積極的になだめて落ち着かせる。






②共通の人間性


 人にはみな欠点があり、誰もが人生の中で失敗もするし、間違いを犯すこともあるし、困難なことに直面することもあることを認識する。自分が感じる苦しみや痛みは、他人も同様に感じているものだと認識できれば、あらゆる苦しみの瞬間が他者とのつながりを感じる瞬間に変わる。






③マインドフルネス


 マインドフルネスとは、今この瞬間にオープンで、気づきをもたらすあらゆる思考・感情・感覚を、抵抗したり回避したりせずに受け入れるということ。セルフコンパッションにとってマインドフルネスが重要なのは、自分が経験した苦しみや痛みを誇張することなく意識でき、より客観的な視点から捉えることができるため。







 この3要素を言い換えると、セルフコンパッションとは「思いやること、つながること、存在すること」となります。




 私としては冒頭の、「親友に接するように自分にも接する」というのが一番分かりやすくて実践もしやすいかなと思います。








エクササイズ


 目を閉じて、以下の質問についてしばらく考えてみて下さい。




①親友が何らかの理由で苦しんでいる場面を想像してみてください。親友に不幸なことがあったり、何かに失敗して自分のことを欠陥品だと感じているような場面です。あなた自身はある程度落ち着いた気持ちでいるとします。このときいつものあなたなら、親友に対してどのような対応をとりますか?どのような言葉をどのような口調で話しますか?姿勢や身ぶりや態度はどのような感じでしょうか?








②今度は反対に、あなた自身が何らかの理由で苦しんでいる場面を想像してみてください。何か不幸なことがあったり、失敗して自分のことを欠陥品だと感じているような場面です。このような状況で、あなたは自分自身に対してどのような対応をとりますか?どのような言葉をどのような口調で話しますか?姿勢や身ぶりや態度はどのような感じでしょうか?








③最後に、親友が苦しんでいる場面での親友への接し方と、自分が苦しんでいる場面での自分への接し方の違いについて考えてください。








 このエクササイズを行うと多くの人が、親友への接し方と比べて、自分自身に対してひどい扱いをしていることに気付くといいます。




 そのためにまずは、自分自身への接し方を意識して変えていく必要があることが分かります。



 ここが、セルフコンパッションを高めていくための出発点になります。







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