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「夫婦喧嘩を和らげる超シンプルな方法」

更新日:2022年4月16日




 いつもお世話になっております。孫平です。



 今回は、夫婦喧嘩を和らげる方法、より正確に言えば、夫婦喧嘩による損失を最小限に抑える方法についてみていきたいと思います。




 さて、頻度の差こそあれ、既婚者の方はほぼ経験しているであろう夫婦喧嘩。おそらく、新婚ホヤホヤで喧嘩なんて考えられないと思っている方も、将来必ず経験する時が来るでしょう。


 夫婦と言えど、そもそもが全く違う一人の人間同士ですから、同じ時間を過ごしていれば衝突することがあるのは当然です。




 ただ、喧嘩が生じるのは避けられないとしても、喧嘩が上手い夫婦と下手な夫婦がいるのもまた事実です。




 そこで今回は、どんな夫婦でも簡単に(かなり関係が悪化していれば話は別ですが…)実践できる、夫婦喧嘩での損失を最小限に抑える方法をお伝えしていきたいと思います。








その喧嘩の仕方、損失が拡大しているかも


 よくある夫婦喧嘩のパターンとしては、夫は仕事で疲れている、妻も自分の仕事や家事、そして育児で疲れている状況で、妻は家事や育児を手伝ってくれない夫にイライラし、夫は自分の仕事の大変さを理解しない妻にイライラする、というものでしょう。



 この喧嘩のその後の流れは、経験者なら言わずもがなですね。




 二人とも、相手の事情が分からないでもなかったし、相手に全く共感できないわけでもなかった。しかし、口論が続くにつれてお互い意地の張り合いになり、引っ込みがつかなくなった。


 挙げ句の果てには、相手を傷付けるようなことを思わず口走ってしまい、終わってみればなんとも後味の悪い感情だけが残った。


 その後数日間は緊張関係が続くが、時間が経つにつれてそれも和らぎ、喧嘩に至った根本原因を話し合うことも反省することもなく、普段と同じ生活に戻る。


 そして二人の間に平和が訪れた矢先に、新たなバトルが勃発する。その繰り返し…。




 

 このような展開を経験している夫婦は、たくさんいるのではないでしょうか。




 この喧嘩で問題なのは、二人とも自分の言いたいことを堪えるという「一時的な損失」を避けて、感情のままに言い合った結果、夫婦の絆、信頼関係、子どもへの影響、睡眠時間など、将来にも響く大きな損失を被っている点です。





 実際に、アメリカで行われた「手間とひまと金をかけた世紀の夫婦実態アンケート」によると、夫婦喧嘩において、


 

・言いたいことは言い尽くしたが、それでも口論をやめなかった(52%)



・口論になった理由を忘れても、口論をやめなかった(34%)



・自分のほうが間違っていると気づいても、口論をやめなかった(34%)

 

という結果が出ており、半数近くの夫婦が不毛なバトルを経験していることが分かります。








損失を最小限に抑える方法


 私たちは、とかく感情に左右されやすい生き物です。怒りや悲しみの感情にとらわれているときに、合理的な判断や建設的な話し合いをするのは至難の業でしょう。



 それでも、将来の大きな損失を避けるためには、少しだけ自分の感情をグッと堪える「一時的な損失」を被る必要があります。



 


 その方法は何かというと、「一晩寝てみる」です。





 もし、一晩寝ても腹の虫が収まらなければ、そのとき初めて口に出してみます。


 しかし、一晩寝てみて気持ちが落ち着いていたら、その件には一切触れず様子をみてみましょう。





 ここでのポイントは、「感情を押し殺す」ことではなく、「感情の変化を待つ」ことです。



 本音を言い合えないなんて夫婦じゃない!と思っている方は、おそらく、自分の感情を押し殺さなければいけないと思っている方でしょう。



 そうではなく、感情が変化するかどうか待ってみてほしいのです。



 感情は驚くほど変化するものです。そのときは本音だと思って言った言葉が、冷静になってみたら全然本音とは違っていた、なんてことはよくあることです。


 

 一晩寝ても感情が変化しなかったのであれば、相手に思う存分罵詈雑言を浴びせてもかまわないでしょう。


 感情は押し殺す必要はないのです。




 




 話は変わりますが、臨床心理士で家族カウンセラーのジェラルド・ウィークスは、夫婦喧嘩をしたときの「タイムに関する4つのルール」というものを提唱しています。


 

①必要とあれば、どちらからでもタイムを宣言できる



②タイムは一回につき、最長24時間とする



③タイムを取っている間は、自分が感情的になった理由をそれぞれが考える

(このとき、相手の非を考えてはいけない)



④タイムが終わったら努めて冷静に話し合い、決して相手を責めてはいけない

 


 このルールを守り合える夫婦関係であることが大前提ですが、もし喧嘩になったときにお互いこの共通認識をもっていれば、感情まみれの不毛な口論ではなく、根本的な問題解決のための建設的な話し合いができる可能性は、間違いなく高まるでしょう。




 もしパートナーに理解してもらうのが難しければ、まさに「一時的な損失」になりますが、みなさんから「一晩寝てみる」ようにしてみて下さい。




 喧嘩は、感情に対して感情で返されるものです。しかしみなさんが「一晩寝てみる」ことで、その感情の度合いが薄まれば、相手も同じぐらいのテンションで会話に応じてくれるはずです。

 


 売り言葉に買い言葉が、喧嘩が大きくなる原因なので、一晩寝て、売り言葉が気にならないくらい冷静になっていればいいのです。





 最初は、ものすごくムシャクシャしながら一晩寝ることになるかと思いますが、朝起きてからの自分の精神状態の変化を実感すれば、その効果が分かるはずです。





 夫婦がお互い元気に過ごせる時間は、長いようで短いものだと思います。いがみ合うよりも、笑い合える時間を増やしていけたら、人生はもっと良くなることと思います。







【参考文献】

ポーラ・シューマン、ジェニー・アンダーソン『夫婦仲の経済学』2012年(阪急コミュニケーションズ)




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