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「多すぎて選べない…。〜決定回避の法則〜」

更新日:2022年4月14日





 いつもお世話になっております。孫平です。


 今回は、私たちが日々行なっている「選択」に関するお話をしたいと思います。







選択肢の多さは、自由ではなく不自由の原因に⁉︎


 みなさんは日常生活で何かを選ばなければならないとき、すんなり決められることもあれば、すごく悩んだ挙句結局何も行動しないということもあるのではないでしょうか?


 そして現状維持を選んでしまう場合はたいてい、選択肢が多すぎるときではないでしょうか。


 


 そのような、決定を先延ばしにする行動を「決定回避の法則」といいます。


 


 この「決定回避の法則」の例として、コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授の実験を紹介しましょう。




 

 ある食料品店に、ジャムの試食コーナーを2ヶ所作りました。一方には6種類のジャムを、そしてもう一方には24種類のジャムを用意しました。

 

 そして、試食後にジャムを購入した客は、6種類の方は30%だったのに対して、24種類の方はわずか3%でした。

 

 


 この実験から分かるのは、人は選択肢が多過ぎると、迷いが生まれ、決定を先延ばし(回避)してしまうということです。






節約に活かせないか?


 この実験を知って、私はこれに当てはまる記憶がたくさん出てきました。


 

 無印良品に行ってレトルトカレーを買おうと思ったら、あまりにも種類が多くてどれがいいのか迷ってしまい、結局何も買わずに帰ったことがあったり…


スーパーに行くと、子どもがお菓子コーナーの膨大な種類のお菓子を前に、何十分もどれを買おうか迷っていたり…


けっこう日常的に「決定回避の法則」は見られるんだなぁと思いました。であれば、この法則を活かして節約に繋げられないか考えてみました。



 


 買う物が明確になっている場合は別ですが、なんとなくこれ欲しいなぁぐらいの物があったとしたら、あえて、その商品の品揃えが豊富なお店に行ってみたり。(決定を下すのに迷いが生じるのであれば、ネットショッピングでも使えそうな気がします。)


 欲しい商品があれば、類似品の情報をたくさん調べてみたり。


 欲しい商品の、良いレビューと悪いレビューをたくさん調べてみたり。


 


 他にも考えればいろいろアイディアは出てきそうですが、とにかくわざと決定に迷いを生じさせる環境に身を置くことで、無駄なお金を使わなくなる可能性はありそうです。(買いたい欲求が中途半端なときこそ有効だと思われます。)






ビジネスに活かすには?


 逆にこちらが商品を売る側だった場合、ここまで読んでいただいたみなさんなら、この法則をどう活かすかはもう想像がつくことでしょう。


 

 そうです、お客が商品やサービスの購入を選択する際に、迷いが生じない程度の数の選択肢を設定する、ということです。


 

 売りたい類似商品がたくさんあったとしても、先ほどのシーナ・アイエンガー教授の実験結果を引き合いに出せば、選択肢が6種類の場合は購買率30%、選択肢が24種類の場合は購買率3%ですから、やはりある程度選択肢を絞る方が、結果的に多くの利益を得ることが期待できそうです。


 

 

 この、選択肢を絞ることでお客の認知的負担(考えるめんどくささ)を軽減し、決断させやすくする仕掛けは、購買活動だけでなく、会社でのコミュニケーションや、親と子のコミュニケーションなど、人間関係にも活かせそうな気がします。


 

 次回も「選択肢」に関するお話をしたいと思います。



 それではまたお会いしましょう。




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