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「頼み方の極意⑤ーやってはいけない7つの頼み方」

更新日:2022年3月7日




 いつもお世話になっております。孫平です。



 さて今回は、人に頼み事をするときに、やってはいけない頼み方についてみていきたいと思います。




 ポイントとなるのは、「自分はコントロールされている。」と相手に感じさせてはいけない、という点です。




 それではさっそく参りましょう。








こんな頼み方はNG


 

①共感に頼りすぎる


 助けを求める際、相手の気を引くために共感を用いることがよくあります。


 共感は、その度合いさえ適切であれば、助けを得るにはとても効果的な方法だと言われています。


 


 しかし、度が過ぎると逆効果になってしまいます。


 「私はとても困っています。私を助けてください。」というメッセージが強過ぎると、相手は心を閉じてしまう可能性が高くなります。



 なぜなら、そのような頼まれ方だと、「自分からすすんでこの人を助けよう!」という内発的動機が失われ、「やらされた感覚」が強くなってしまうからです。







②謝りすぎる


 頼み事をするのは、確かに相手に対する申し訳なさを感じてしまいやすく、「すみません」とか「申し訳ありません」とか「ごめんなさい」という言葉を多用してしまいがちです。


 

 このように謝りの言葉が多くなってしまうと、やはり相手の心の中には「すすんで助けたいから」ではなく、「そこまで言われると助けてあげなければいけないからそうする」という、コントロールされた感覚が強くなってしまいます。



 さらに、謝り過ぎると、同じグループ・仲間という気持ちが希薄になり、無駄にお互いの間に距離を生じさせてしまうことになります。







③言い訳をする


 「本当はこんなお願いしたくはないんだけど。」とか、「いつもは一人でできるんだけど。」とか、言い訳が含まれた頼み方をされたら、あなたはどう感じますか?



 頼まれる側への配慮ではなく、頼んでいる自分自身への保身に気持ちが向いてしまうと、当然ながら、相手は萎えてしまいます。



 助けを求めることは確かに気まずく感じてしまうかもしれませんが、自分が相手からどう思われるかではなく、相手がどんな気持ちになるかに意識を向けてみましょう。







④頼み事を引き受けるメリットを強調する


 人は、誰かを助けると幸せな気持ちになるというのは、このシリーズで述べてきた通りです。



 しかし頼み事をする側が、相手が頼み事を引き受けることで得られるメリットを強調してしまうと、やはり相手は萎えてしまいます。



 頼み事をする側から、操作され、コントロールされているという感覚を抱いてしまい、「助けてあげたい」という内発的動機が失われてしまうからです。







⑤頼み事は些細なものだとアピールする


 相手に断られることを恐れて、その頼み事が些細で簡単なことだとアピールして、相手に引き受けてもらうという方法は、よくやりがちだと思います。



 しかし、この頼み方も良い方法だとは言えません。



 まず、最初からわざと「面倒なこと」を「簡単なこと」だと嘘をついて相手に頼んでいたとしたら、その頼み事を引き受けた相手は「ダマされた」と感じ、もう二度とお願いを聞いてくれることはないでしょう。



 また、頼み事をする側が本心で「簡単なこと」だと思っていても、頼まれた側にとっても同じように「簡単なこと」だとは限りません。


 もし頼まれた側にとっては「難しくて面倒なこと」だったとしたら、やはり「ダマされた」と感じるでしょう。



 頼む相手のことをよく知らないのなら、自分の頼み事を簡単にこなしてくれるだろうと、むやみに考えるのはとても危険です。







⑥借りがあることを思い出させる


 これは、親しい間柄でよくあることかもしれません。


 例えば、「俺はこの間、君の仕事を手伝ってあげたよね?」とか、「君が〇〇で困っていたときに助けてあげたの覚えてる?」といった感じですね。



 返報性(相手に何かをしてもらったら、何かをお返ししないとモヤモヤする)という人間の心理を利用した方法です。



 しかしこの返報性は、相手からほのめかされると、相手にコントロールされているという感覚になってしまいます。


 つまりこの方法で頼まれた相手は、「助けてあげたいから助ける」のではなく、「助ける義務があるから助ける」ことになってしまうのです。



 内発的動機による助けでなければ、そのとき1回だけはよくても、長期にわたって助けてもらえる関係にはなり得ません。







⑦助けられた場合の自分のメリットを強調する


 ノースカロライナ大学の、サラ・アルゴー、ローラ・カーツ、ニコール・ヒラリーは、感謝の表現を「他者称賛」と「自己利益」という2つのタイプに区別しました。



 彼らの研究から、人から助けてもらったことに対して、「本当に助かったよ。」といった自己利益を表現するよりも、「忙しいのに時間を割いてくれてありがとう。」といった他者称賛を表現した方が、助けた相手の幸福度が高くなることが分かりました。



 私たちは人から助けてもらったときに、自分がどれだけ助かったかといった自己利益で、感謝を述べることが多いと思います。



 しかし、助けてくれた相手を称賛するような感謝をすれば、相手の幸福度は高くなり、結果として次回もその人から頼み事を聞いてもらえる可能性は高くなると言えそうです。








 今回みてきた、やってはいけない頼み方ですが、振り返ってみるとやってしまっていることが多いのではないでしょうか。



 何を言うか・何をすべきかも大事ですが、何を言わないか・何をすべきでないかも、それと同じぐらい重要です。





 次回で、この頼み方シリーズは完結となります。



 それではまたお会いしましょう。






【参考文献】

ハイディ・グラント・ハルバーソン『人に頼む技術』2019年(徳間書店)



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