いつもお世話になっております。孫平です。
みなさんは日常、仕事の仲間や、夫婦・カップルとしての人間関係の中で、相手と意見が対立することがままあるかと思います。
それぞれ別人格の人間同士ですから、意見の対立が起きるのは仕方のないことです。
重要なのは、意見が対立したときに、どのような方法でお互いに歩み寄っていけるかです。
そして、そういう状況でよく使われる方法の一つが「話し合う」ことです。
みなさんも、これまでによく使ってきた方法だと思いますが、この「話し合う」ことには、実はそんなに意味がないのではないか?ということを示唆する研究があります。
今回はそんな話を紹介しましょう。
成功しているチームは「話し合い」などしていない?
これは、イリノイ大学のキース・マーニガムが行った調査です。
20のプロ弦楽四重奏のメンバー80人に、演奏やコンサートのときに、他のメンバーと衝突することがあるかを尋ねた。
同時に、それぞれの楽団がどれくらい成功しているかも調べた。
成功の度合いを測る項目として、
①コンサート料金
②アルバム数
③他の楽団からの評価
④昨年のコンサート回数
⑤楽団に関する記事の、新聞や雑誌への掲載数
⑥その記事での楽団に対する評価
を設定した。
調査の結果、成功している楽団ほど、お互いに気に入らないことがあったとしても、話し合いをしていないことが多いことが分かった。
なかなか興味深い話ですね。
日常生活に活かすには?
もちろんケースバイケースでしょうが、私たちも日常の人間関係の中では、「無理に話し合って解決する必要がない」場合も意外と多いのかもしれません。
みなさんもこれまでの経験を振り返ってみたら分かるかと思いますが、誰かと意見が対立したときに「話し合う」というのは、精神的にも体力的にも相当エネルギーを消耗します。
しかし、もし意見が対立したまま放置しておいても大丈夫だとしたら、なんなら放置しておいた方が事態が好転する可能性もあるのなら、こんなに良いことはありませんよね。
そのため、もし仕事でもプライベートでも誰かと意見が対立したときは、「すぐに解決しようとせずに、一日静観してみる」のが良いかもしれません。
一日様子を見てみて、それでも「これはやっぱりなんとかせないかん!」というふうに思うのであれば、そのときに初めて「話し合う」場を設けたらいいでしょう。
もしかしたらその間に問題が解決していたり、よくよく考えれば大したことではなかった、なんて自分の意見が変わることも大いにあると思いますので。
でも、本当に「話し合い」に意味がないのか?
一つ、先ほど紹介した調査結果で気になる点があります。
果たして本当に、「話し合いが少ない組織ほど成功している」といえるのか?と少し疑問に思うのです。
個人的な仮説ですが、
「話し合いが少ない組織ほど成功している」のではなく、
「成功している組織には、話し合いをしなくても、相手の心境を汲み取り自然とお互いに歩み寄れるような、仕事がデキる優秀な人材が集まっている」=成功する
のではないかと思うのです。
真偽のほどは今のところ分かりませんが、やはり凡人にとっては、コミュニケーションをとってお互いのことを理解する「話し合い」という営みは必要不可欠なものだと思ってしまいます。
大多数の人にとっては、話も聞かずに相手のことを理解するなんて神業はできませんからね。
だからこそ意見が対立したときには、「話し合い」という手段と「まずは静観してみる」という手段を併用して、自分が余計に消耗してしまわないように心がけてみると良いのではないでしょうか。
今回はここまでです。それではまた次回お会いしましょう。
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