いつもお世話になっております。孫平です。
皆さんは、自分に自信をもっていますか?まぁ、全てにおいて自信をもっているという人はいないとは思いますが。(もしそういう人がいるなら、本物の天才か、よほど無知なバカのどちらかでしょう。)
いずれにせよ自信は、仕事でもプライベートでも、私たちが何かを成し遂げるために非常に大きな武器になることは間違いありません。
しかし、ただでさえ身に付けるのに苦労する自信の成長を妨げるものがあるとしたらどうでしょう。
せっかく育ててきた自信を、守れるものなら守りたいですよね。
そこで今回は、ハーバード・ビジネス・スクール アーネスト・L・アーバックル記念講座の、ロザベス・モス・カンター教授が指摘する「自信を妨げる8つの罠」についてみていき、それに陥らないようにしようという内容になります。
それではさっそく参りましょう。
「自信を妨げる8つの罠」
①敗北主義的な思い込み
多くの人は、「自分には能力や才能がなくてできない」と思ってしまったことは、「やろうともしない」傾向があります。
やってみなければ分からないことも、「どうせ無理だから」「どうせ勝てっこないから」という敗北主義的な思い込みによって、行動にうつす自信の芽が摘み取られてしまうのです。
そういう思い込みは必要ありません。どうしてもその感情を捨て去れないのなら、言葉を少し変換しましょう。
「どうせ無理かもしれないけど、とりあえずやってみよう」「どうせ勝てっこないかもしれないけど、とりあえず戦ってみよう」
結果はどうなってもいいと思えれば、行動にうつしやすくなるでしょう。皆さんが囚われているその感情は、皆さん自身がつくりだした幻想に過ぎません。事実ではないのです。
②大きすぎて、遠すぎる目標
大きな目標、高い目標を設定することは、一時的に人をやる気にさせます。
しかし、現実とのギャップをどのようにして埋めていくかを考えていないと、目標達成までの道のりが見えず、かえってやる気を失うことになります。
大きな目標自体が悪いわけではありません。
重要なのは、目標達成までに経験していく小さな成功に価値を認めること。そして、その小さな成功を短期的なゴールにすること。
自信は、小さな成功を重ねることから生まれ、大きくなっていくのです。
③早すぎる勝利宣言
ダイエットのジレンマというものがあります。中には、経験したことのある人もいるでしょう。
最初の数日で順調に体重が減ったことから気分を良くし、自分へのご褒美としてデザートを食べる。その結果、体重が戻って自己嫌悪に陥り、落ち込んだ気分を盛り上げるためにさらにデザートを食べてしまう。そんな現象です。
小さな成功を喜ぶことは大いにけっこうですが、それでこの後も上手くいくんだと錯覚してはいけません。
一つ目のハードルを乗り越えた次にするべきことはただひとつ。二つ目のハードルを乗り越えることです。
④一匹狼的な態度
何かを成し遂げるためには、仲間の協力が必要なことがしばしばあります。たとえ個人で目指していることであっても、自分一人の力で全てのことができるわけではありません。
自分の力だけで物事を成し遂げてきたと思っている人は、陰で支えてくれている人たちの存在に気付いていないだけです。
何でも自分の力でできるから人の助けなんていらないという態度をとっていると、人がどんどん離れていき、できるはずのこともできなくなってしまいます。
個人戦でもチーム戦でも、もっと仲間を頼り、そして仲間を助けてあげましょう。他者を助けると幸福度と自尊心が高まることは、多くの研究から明らかになっているのですから。
⑤人を非難する
自分の行動の責任は自分で負うという姿勢が、自信を育む上での大前提となります。
何か失敗してしまったり逆境に立たされたときに、人のせいにしてしまう人がよくいます。しかしそれは非常にもったいないことです。
失敗から立ち直るためにどうすればよいのか、逆境にどうやったら打ち勝てるのかを、自分自身と向き合って真剣に考え行動するその過程で、揺るぎない自信は育まれていくのです。
誰かのせいにして生きるのは、今日で終わりにしましょう。
⑥防御的態度
何かを成し遂げる過程では、ときに批判を受けることもあるでしょう。批判を受けて、それに反応することは別に悪いことではありません。
よくないのは、批判を恐れるあまり、批判を完全にシャットダウンしてしまうことです。
第三者からの視点は、大きな飛躍のチャンスを与えてくれる可能性があります。自分から、みすみすそのチャンスを潰してしまうのは得策ではありません。
批判は批判として受けつつも、自分が今までやっきたことを誇りに思いましょう。あなたはここまでよく頑張ってきました。それは紛れもない事実であり、とても尊いことです。
⑦失敗や挫折に対する無防備
やればできるとか、努力すれば報われるとか言われますが、現実はそこまで甘くはありません。
なんとかなるだろうという楽観主義も、行き過ぎると危険です。
何かを成し遂げる過程では、いくつもの障害が必ずあなたの行く手を阻んできます。
まずは、そのような障害が自分の邪魔をしてくるのは当然のことだと認識しましょう。そして、事前にできるだけ障害を想定し、それを乗り越えるための対策を考えておきましょう。
臆病過ぎるほどの事前準備は、いざ本番になったときに自信に勢いを与えるブースターになるはずです。
⑧自信過剰
自信があるという状態は、絶望と傲慢の中間にある最適なポイントだといえます。しかし、自信は傲慢へ転落しやすいのもまた事実です。
過去に成功体験を積み重ねて自分に自信をもっている人ほど、自覚のないまま自信過剰に陥っていることが多いのです。
自信過剰な状態になってしまうと、基本を無視し、批判に耳を貸さなくなり、変化に気付きにくくなり、いずれは大きな失敗を犯してしまうことになります。
傲慢にならないよう、自分の自信レベルが常に最適なところに落ち着くように、たまに過去の失敗や、誰かに助けてもらったことなどを思い出して、謙虚な気持ちを取り戻しましょう。
以上、ここまで「自信を妨げる8つの罠」と、それに対する簡単な対策(考え方)についてみてきました。
今回はあまり科学的根拠を明示せず、自己啓発っぽい内容になってしまいましたが、誰もが今までにハマってきた、あるいはこれからハマるであろう「罠」だったのではないかと思います。
これから何かをするときに、「怖くて動けない」とか「ちょっと調子に乗り過ぎてるかな」とか感じることがあれば、この8つの罠のどれかにハマっていないか再確認してみて下さい。
それではまたお会いしましょう。
【参考文献】
ハーバード・ビジネス・レビュー編集部『自信』(2020年)ダイヤモンド社
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