いつもお世話になっております。孫平です。
私たちは子どもの頃から、「自信を持て」「自信がある人が成功する」と教えられてきたはずです。
学生時代は家族や先生や部活の顧問などから、社会人になってからは先輩や上司、さらにはビジネス本や自己啓発本からも、「成功するためには自信が欠かせない」と教えられてきました。
しかし、この分野で長年に渡って研究をしてきた、心理学者のトマス・チャモロ・プレミュジックは、適度に自信がない人の方が何事も上手くいくという結論を出しています。
確かに、あまりにも自信がなさ過ぎる場合は話は別ですが…。ここからは、適度に自信がない人の方が、自信がある人よりも成功しやすい3つの理由について見ていきたいと思います。
それでは参りましょう。
理由①
自信がない人はネガティブな意見にも耳を傾けやすい
自信がない人が何かをするとき、上手くいっている様子はなかなかイメージできないものです。
最初から上手くいくとは思っていないため、実際に行ったことに対するネガティブな意見にも、抵抗なく耳を傾けようとします。
結果として、現在の自分の能力を正確に省みることができ、改善へのステップもより具体的で効果的なものになります。
反対に自信がある人は、そのイメージが崩れるのを恐れるため、ポジティブな意見ばかり集め、ネガティブな意見は無視する傾向があります。
また自信のない人は、これから行なうとすることに悲観的なイメージを持ちがちですが、この特性に行動がうまくマッチした場合はさらに成功に近付きます。
それはなぜかというと、あらゆる分野(教育、ビジネス、スポーツ、演劇など)において、成功を左右する要素は、準備が90%、本番が10%だと言われており、自分の弱点や欠点をわきまえている人ほど、準備を入念に行うからです。
自信がない人が行動力を身に付けると、最強なのです。
理由②
自信がない人は一生懸命努力しやすい
これには少し条件があります。
それは、「その目標に対して真剣である」ということです。
自信がない人が、本気でその目標を達成したいと思っている場合は、持ち前の準備力と改善力に、「行動力」も加わるわけですから、成功する確率が高くなるのは当然のことでしょう。
自信がない人じゃなくても、達成したい目標に対して真剣に向き合っていれば成功する確率は高くなるでしょう。
しかし、準備力と改善力は、自信がない人の方が優れている傾向があるのは、理由①で述べた通りです。
ここでもやはり、自信がない人に行動力が加わると無双状態になれると言えそうです。
理由③
自信がない人は傲慢にならない
理由①でも述べた通り、そもそも自信がない人は、自分が何事も上手くやれるとは思っていません。
そういう考えがベースにあるため、何事にも傲慢にはなりにくく、誇大妄想に囚われることも少ない傾向があります。
また、他者を非難せず、自分の間違いを素直に認め、人の手柄を横取りしない傾向もあります。
このような特性は、組織や社会全体の利益となり得ます。
アメリカの大手調査企業のギャラップ社によれば、アメリカの従業員の60%以上が自分の仕事を嫌っているといいます。
仕事を嫌っている最大の理由が、「上司が傲慢だから」とのこと。
日本の場合は国民性からして、その割合はもう少し低くなるかもしれませんが、上司や先輩たちの傲慢さのために生産性が下がり、離職率は上がるという問題は、どこの組織も抱えていることだと思います。
その点自信がない人は、嫌な人になりにくく、自信過剰による勘違いで足元をすくわれるようなこともめったにありません。
理由①と理由②で見てきた特性も含めて考えると、(適度に)自信がない人は実は非常に上司向きの性格であると言えそうです。
以上ここまで、自信がない人の方が成功しやすい3つの理由について見てきました。
今まで、自信のない性格がコンプレックスだった人は、これからは考えを改めてみて下さい。
自信のない皆さんだからこそ掴めるチャンス、味わえる幸せがたくさんあるはずです。
自信のない性格を「変える」のではなく、「活かして」いきましょう。
【参考文献】
"Less-Confident People Are More Successful," HBR.org, July 06, 2012
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