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「腕の動きが語ることとは?」

更新日:2022年4月11日




 いつもお世話になっております。孫平です。


 今回は前回の、胴体が語るメッセージの続きで、腕が語るメッセージについてみていきたいと思います。



 それではさっそく参りましょう。








重力に逆らう腕の動き


 前回の胴体の肩の動きでも少し触れましたが、人間の体が重力に逆らう動きをするとき、それは何らかの感情の表出であると考えられます。



 腕についてもそれは当てはまり、ワクワクしている人や喜びに満ちている人の腕は、重力を無視して自由な動きをします。

 それに対して、自信がなく不安を抱えている人の腕は、体に近い位置から離れず動きがほとんどありません。



 腕がよく動いているか、体にくっついているか、そこに注目するだけでも、その人の今の感情がどんなものかが見えてきます。








腕を引っ込める


 私たちには、動揺したり恐怖を感じたりすると、腕を引っ込める傾向があります。


 みなさんも何か怖い思いをしたときは、無意識のうちに腕を体にぴったりくっつけたり、胸の前で組んだりしていた経験があるのではないでしょうか。


 この動きは胴体のときと同様、人間にとって一番弱い胴体の前面を保護して、危険から身を守ろうとする生物としての本能なのです。




 

 また、腕を小さく引っ込めて、動きを抑えることは、敵に見つからないようにするという意味もあります。


 学生時代に先生から質問されないように、また社会人では会議などで上司から質問されないように、小さく縮こまって目立たないようにした経験はみなさんもあるのではないでしょうか。



 

 ちなみに虐待されている子どもは、虐待を加えている親などの大人が近くにいるとき、腕の動きがほとんどなくなることが分かっています。

 動けば動くほど注目され、敵の標的となる可能性が高くなることを本能的に分かっているのです。


 もし、ある子どもが、親などの特定の人物の前でだけ明らかにおとなしくしている場合は、その人物に対して何か恐怖心を抱いていると考えられますし、最悪の場合虐待を受けている可能性もあります。





 

 その他にも、違法な物や高価な物を持っている人ほど、税関のカウンターに近づくにつれてバッグをきつく握りしめる傾向があるそうです。


 さらに、万引き犯は、普通の客よりも腕の動きが少なく、目立たないように自分を小さく見せようとする傾向があるそうです。








権力を誇示する腕


 特に男性に多くみられる腕の動きの特徴として、権力を見せびらかそうとするものがあります。ここでは、その時の腕の動きをザッと見ていきましょう。




・両腕を背中の後ろで組む

 これは、自分の方が高い地位にあることをアピールしているほかに、近くに寄るな!という感情の表れでもあります。要するに、相手に心を開いていないことの証になります。




・ソファの背もたれに腕を置いて座る

・テーブルに腕や物を広げる

・女性の肩に手を回す

 これらの行動に共通しているのが、より広い範囲を占有しようとしている点です。つまり、縄張りをできるだけ広げて、俺の方が地位が上だぞ!とアピールしているわけです。




・椅子の背もたれにもたれかかって、両手を頭の後ろで組む

 これは「フード効果」というもので、コブラが頭の下のフードを広げて、他の動物たちに優越性と力を示す行為からその名がつけられました。自分をできるだけ大きく見せて、俺の方が強いんだぞ!アピールしているわけです。





 これらとは反対に、腕が体の近くにくっついて動きが少ない人は、不安を感じていたり、自信がないことの表れだと言えます。








愛情を伝える腕


 腕には感覚受容器が多いため、腕の触れ合いによって感覚的な喜びが生まれます。


 そのため、自分の腕を他の人の腕に近付ける行為は、脳の大脳辺縁系が喜びや快適さを感じていることの証であると言えます。




 もしお子さんがいる方であれば、積極的にハグをすることをおすすめします。ハグをされた子どもは、安心感や愛情を、腕など体全体を通して感じることができます。

 それはハグしている親にも同じことが言えます。


 

 子どもだけでなく、パートナーや友人とのハグも積極的にしたいものです。国によっては、ハグが日常的な挨拶になっているところもあります。日本では公の場でハグをするのはなかなか難易度が高いですが、プライベートな空間でならその機会はいくらでもつくれるはずです。

 

 ただし、関係が冷え切っている場合はハグどころか、腕は相手を遠ざける仕草をし、足や胴体は相手と反対の方向を向き始めます。2人でいるのに、お互い顔を反対の方向に向けている場合は末期でしょう。ここまで来ると、関係修復のために時間をかけるよりも、新しい出会いを求めに出る方がいいのかもしれませんね。



 街中で、夫婦やカップルをよく観察してみると、2人の腕がぴったりくっついている人たちもいれば、微妙な距離感がある人たちもいます。中には微妙な距離どころか、かなり離れてしまっている人たちもいます。

 このように腕や体の距離を観察するだけでも、その人たちの関係性がおおまかに分かります。ただし、中学生や高校生など若いカップルで、2人の間に微妙な距離感がある場合は、まだお互いに緊張している段階で、これから距離が縮まっていくものと考えるのが普通でしょう。




 また仕事でもプライベートでも、この人と仲良くなりたいと思うのなら、感覚受容器の多い腕にさりげなく触れる機会をうかがいましょう。先にも述べた通り、人間は腕に触れられると安心感を感じる生き物だからです。男性が女性にする場合はかなりハードルが高いですが、女性が男性にする場合は特に有効だと思われます。

 ただし、明らかに相手が自分に対して心を開いていない段階でそれをやってしまうと、危険な人物だと見なされて完全にシャットダウンされてしまう可能性がありますのでご注意下さい。








 

 さて今回は、腕の動きが語るメッセージについて見てきました。ここまでの内容を簡単にまとめると、



・腕が大きく自由に動いている人は、気分が良く快適さを感じている



・腕が小さく縮こまっている人は、何かに恐怖や不安を感じていたり、自信がないことを表している



・腕を大きく見せている人は、自分に自信があったり、権力や地位を誇示している



・腕は愛情や安心感を感じやすい部位であるため、大切な人にハグをするとお互い幸せを感じられる



・パートナーやカップルでは、腕と腕の距離が近いとお互い心を開いて安心していると考えられ、遠いと関係が冷えてきているかまだ発展途上の段階だと考えられる



といった感じになります。




 是非みなさんも今回の内容を参考にして、人間関係に役立ててみて下さい。







【参考文献】

ジョー・ナヴァロ、マーヴィン・カーリンズ『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』2012年(河出書房新社)





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