
いつもお世話になっております。孫平です。
みなさんは、職場の先輩や上司から「良い仕事をしてくれそうだ」という期待をされていなかった経験はありますか?
または、後輩や部下に対して「こいつは仕事ができない奴だ」と、期待をかけなかったことはありますか?
ある研究者は、「平均的な従業員が、周囲から期待されていない場合、仕事のパフォーマンスにどのような影響が出るのか」ということ4つの研究から調べました。
その結果、次のようなことが分かりました。
期待されない人はパフォーマンスが高い⁉︎
・周囲から期待されなかった従業員は、数週間後、他の従業員よりも上司から高い評価を得る傾向があった。
・期待されなかったが高い評価を得た人へのその後の質問では、「自分を否定した人が間違っていることを証明したい、見返してやりたい」という気持ちがモチベーションになっていたことが分かった。
・しかし上記のようなモチベーションが発動するのは、本人が、自分に期待していない人たちのことを信用していないときに限られていた。(あの人だって全然仕事できないじゃん。あの人だけにはそんなこと言われる筋合いないわ。みたいに思っているときだけってことですね。)
この結果から、「期待の低さを、日頃からムカつく他人を見返すための絶好の機会ととらえると、良いパフォーマンスを発揮できる可能性がある」と言えそうです。
しかしこの研究では明らかになっていませんが、めちゃくちゃ仕事がデキる先輩や上司から期待されなかった場合は、このような効果はないのかもしれません。
確かに、そのような先輩や上司から「こいつは仕事ができない奴だ」なんて思われていたら、見返してやりたいという気持ちよりも先にショックの方が大きいと思いますし、自分はこの仕事には向いていないのかなとか考えてしまいそうですよね。
後輩や部下への対応
これらを踏まえて、自分が上司や先輩だった場合、後輩や部下にはどのように対応していけばいいのでしょうか。
まず、自分が優秀だと上層部や同僚から評価されているのなら、後輩や部下に対して「期待していない」態度をとるのは避けた方がいいでしょう。
後輩や部下の立場で考えれば、優秀な先輩や上司から「期待されている」ことは、余程の天邪鬼でない限り非常に大きな自信になりますし、それが仕事へのモチベーションに繋がるからです。
自分が優秀なら、後輩や部下には「認めている、期待している」ような態度を見せていきましょう。
自分が後輩や部下から信用されていない場合、彼らに期待しないことで逆に彼らのモチベーションを上げる効果があるわけですが、そのような人はこのブログを読んでいないと思います。
しかし、どんなに優秀な人でも何かしらの欠点があるはずです。
かなりめんどくさいというか、高度なテクニックになりますが、自分の欠点を自覚している人が、その欠点をあえて棚に上げて、後輩や部下から反感を買うような態度をとり、彼らのパフォーマンスを上げるという方法もできなくはないと思います。
(例えば、コミュニケーションが苦手な上司が、部下に対して「君はコミュニケーション能力を改善した方がいいよ」みたいなことを言う。)
かなりの策士でないとけっこう面倒くさいですが、一応参考までに。
今回はここまでです。
それではまたお会いしましょう。
【参考文献】
"The Underdog Effect: When Low Expectations Increase Performance," by Samir Nurmohamed (Academy of Management Journal, 2020)
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