お世話になります。孫平です。
新年度がスタートし、新たな出会いが増える季節となりました。
普通の人ならば、(生理的に無理な状況を除いて)新しく出会った人たちと良い関係を築きたいと思うはずです。
そして、良いなと思える人が現れれば、そこから恋愛感情に発展していくこともあるでしょう。
そのときに、相手からも自分のことを好きになってもらうためには何が一番大切なのか?という点について見ていきたいと思います。
外見よりも大切なこと
ニューヨーク州立大学のスーザン・リエラの研究(R)では、
・男性58名、女性69名に、恋に落ちたときの理由などを自由に記述してもらった
・回答結果を、研究チームが分類してまとめた
・その結果、恋に落ちた理由は
第1位「好意の返報性 82%」
第2位「熟知性 71%」
第3位「生理的喚起 47%」
であった
・恋に落ちた理由として「外見」を挙げた人は、23%しかいなかった
ということが分かりました。
8割以上の人が恋に落ちた理由として挙げた「好意の返報性」とは何かと言うと、「相手が自分に対して好意をもってくれていたから、自分も相手のことが好きになった」ということです。
ロバート・チャルディーニの『影響力の武器』でも有名な「返報性」ですが、「人から何かを与えてもらったら、お返しをしなくてはならない」と感じる人間心理は、恋愛感情にまで影響を与えるほど強力なものなのですね。
第2位の「熟知性」とは、学校で同じクラスだったり、会社で同じ部署だったり、相手と頻繁に顔を合わせていたら、自然と親しみを感じて恋愛感情に発展していたというケースです。
この場合は、よく会う人に対して好意を抱きやすくなる「単純接触効果」や、自分が属している集団の人たちを特別な存在だと感じる「内集団バイアス」などが影響していると考えられます。
第3位の「生理的喚起」とは、お酒の席で酔っ払っているときに勢いで付き合ってしまったり、テーマパークのアトラクションなどドキドキする状況を一緒に経験したことが恋愛感情に変わったようなケースです。
この場合は、アルコールによる気分の高揚や判断力の低下、酔っ払うと相手が魅力的に見える「ビアゴーグル効果」、アトラクションなどによる心拍数の上昇を恋愛のドキドキ感と錯覚する「吊り橋効果」などが影響していると考えられるでしょう。
第3位である「生理的喚起」ですが、恋に落ちた理由として挙げた人は47%で、「好意の返報性」「熟知性」に比べて一気に数値が落ちていることが分かります。
また今回の研究は、あくまで「恋に落ちた理由」を調査したものであって、その後に付き合えたかどうかや、長期に渡り良好な関係を築けたかどうかなどは分かりません。
そして意外なことに、恋に落ちた理由として「外見」を挙げた人は23%しかいませんでした。
男女によって多少の違いはあるとは思うものの、「好意の返報性」や「熟知性」と比較しても、恋愛感情に発展するケースとしてかなり少ないことが分かります。
まずは相手に「好意」をもって接すること
先ほどの研究を参考にするならば、見た目を良くして相手に振り向いてもらう努力をするよりも、「あなたのことが好きですよ」という好意をもって相手に接する方がよっぽど効果的です。
この相手に対する「好意」を勘違いしてはいけないのが、自分の想いばかりで「好き好きアピール」するのが「好意」ではないということです。
それで振り向いてくれる相手もいるかもしれませんが、「好き好きアピール」は基本自分本位な態度であり、一歩間違えばストーカーになりかねません。
本物の「好意」とは、相手に対して自然と「優しさ」や「思いやり」の気持ちが湧いてくるものであり、そのような気持ちや態度が相手にも伝わるからこそ、相手からも好かれるのです。
そのような態度やコミュニケーションは、好きな人に限らず、良好な人間関係を築く上では誰に対しても重要且つ効果的でしょう。
好きな人に振り向いてほしい、特定の人と良好な人間関係を築きたいという人は、
「相手本位の『好意』をもって、『頻繁に』相手と接する」
このことを、是非覚えておくといいでしょう。
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