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「最強の目標達成テク フレッシュスタートで、新年の願いを叶えよう!」


 あけましておめでとうございます。孫平です。



 さて今回は、ケイティ・ミルクマン先生の『自分を変える方法』(原著『How to Change』)を参考に、最強の目標達成テクと言われている「フレッシュスタート法」についてお話ししていきたいと思います。


 

 ミルクマン先生は、ペンシルべニア大学ウォートンスクールの行動科学者で、2021年度のThinkers50(経営思想家ベスト50)にも選ばれている若い女性で、この本も行動科学の知識が分かりやすく書かれていながらところどころにストーリーが散りばめられていて、とても楽しく読むことができました。




 前置きはこれぐらいにしておき、さっそく参りましょう。







最強の目標達成テク「フレッシュスタート法」



 このフレッシュスタート法とは何なのかと言うと、新年、月初め、週初めといったカレンダー上の新しい始まりのタイミングや、入学、成人、就職、転勤、転職、引越し、結婚、離婚、病気、死別といった人生における大きな変化や環境が変化するタイミングに立てた目標は、そうでないタイミングに立てた目標に比べて達成率が高いことから、新たな始まり=フレッシュなスタートのタイミングで行動を起こすといいよ!というものです。




 これについてミルクマン先生は、「私たちは新たな始まりのタイミングになると、新しい自分に生まれ変わったような気持ちになる。フレッシュスタートのタイミングでは、今までグズグズしていた過去の自分と決別し、新しい自分として行動していこうというモチベーションが格段に高まる。」というようなことを言っています。






 ちなみに、アメリカで行われた2007年の調査によると、新年に誓いを立てたアメリカ人の3人に1人は1月末までに挫折し、最終的には5人に4人は失敗していたそうです。



 新年の誓いなのだから、その人たちはまさにフレッシュスタートをしていたわけですが、目標達成率は20%程度です。



 しかし、みなさんの今までを振り返ってみても、「今年こそは!」を何回繰り返しているでしょうか。みなさんが身をもって分かっている通り、それだけ目標を達成したり、そのための行動習慣を身につけるのは難しいことなのです。



 ですからフレッシュスタートが最強とは言いつつも、効果はそんなものかと思うかもしれませんが、見方を変えればフレッシュスタートを使えば20%の確率で自分にとって一生ものとなる習慣を定着させたり、目標を達成できるということでもあります。






 それではここからは、フレッシュスタートに関する研究を紹介していきましょう。








フレッシュスタートに関する研究



・ケイティ・ミルクマン、ヘンチェン・ダイ、ジェイソン・リースの調査によると、学生がフィットネスセンターに行くタイミングとして多いのが、1月、週初めや休み明け、新学期の初め、誕生日のあとであった。




・目標設定サイト「stickK」の追跡によると、1月、月曜日、休み明け、誕生日には、オンラインで目標設定をする人が急増する。



・同様のタイミングで、Googleでの「ダイエット」の検索数も増える。




 このことから、私たちには日付け上のフレッシュスタートのタイミングで、何か新しい行動を起こしたいというモチベーションが高まる傾向があるのは明らかでありましょう。







・1994年のある調査では、転職する、恋人と別れる、ダイエットを始めるといった、人生を有意義な方向に変えようとしたことがある200人以上の人のうち、成功した人の36%が引越し後に行動変容に取り組んでいた。




 カレンダー上の節目だけではなく、物理的な移動にもフレッシュスタートの効果は働きます。引越しを経験したことがある人ならよくお分かりかと思います。






・テキサスA&M大学の編入生を対象とした研究では、地元の短大から来た学生ほど今までの生活習慣を維持し、同じ地域の同じ友人たちと付き合う傾向があった。一方、遠く離れた地域から来た学生ほど、今までの生活習慣を変える傾向があった。




・ケイティ・ミルクマンらの研究では、普通の月曜日よりも月初め、月初めよりも新年の方が、行動変容に大きな影響を与えることが分かっている。




 このことから、フレッシュスタートはそのときの変化の度合いが大きいほど大きな効果が得られると考えられます。








 少し長くなってしまったので今回はここまでにして、次回も引き続きフレッシュスタートについてみていきたいと思います。




 それではまたお会いしましょう。






【参考文献】

ケイティ・ミルクマン著、櫻井祐子 訳 『自分を変える方法』ダイヤモンド社(2022年)











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