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「排卵期で好みの男性の顔が変わるという話」

更新日:2022年4月11日




 いつもお世話になっております。孫平です。



 女性の皆さんには、それぞれ自分の好みの男性の顔があると思います。



 しかし、排卵期のときとそうでないときで、好みの男性の顔が変わっていることに、皆さんはお気付きでしょうか。



 自覚がある方もいるかもしれませんし、「そんなことないでしょ」と思う方もいるでしょう。



 しかし、これは科学的に明らかになっているようです。




 今回はそんな話になります。









排卵期に好む顔


 まず結論から言うと、排卵期の女性は、より男らしい顔の男性を好むことが分かっています。


 「男らしい顔」とは、高いほお骨と力強いあごのラインをもった、いわゆる「ごつい顔」のことです。




 この「ごつい顔」をつくりあげているホルモンが、皆さんも聞いたことがあるであろう、「テストステロン」という男性ホルモンです。


 テストステロンは、筋肉や骨の形成を助けたり、安定したメンタルの源になるホルモンです。




 テストステロンが豊富でないと「ごつい顔」にはなりませんから、「ごつい顔」をしている男性=テストステロンが豊富=生物としてめちゃくちゃ健康=優秀な遺伝子を持っている、という図式が成り立ちます。




 ですから排卵期の女性が男らしいごつい顔の男性を好むのは、妊娠可能なその時期により優秀な遺伝子を無意識のうちに求めているからなのです。








排卵期以外のときに好む顔


 では排卵期以外の時期にも、無意識に好んでしまう男性の顔はあるのでしょうか。



 

 生物学者のランディ・ソーンヒルは、女性は基本的に2種類の男性の顔を好むと言っています。


 1つは、先ほどの「男らしいごつい顔」で、こちらは排卵期に好む顔です。



 そしてもう1つは、「優しく中性的な顔」で、こちらは排卵期以外の時期に好む顔なのだそうです。





 実際に行われた研究でも、


 

被験者の女性たちに、自分の好みにぴったり合うまでコンピューターの画面上の男性の顔を加工してもらうよう指示した。


すると、排卵期の女性たちは、より男らしい顔立ちを好んだ。


一方、排卵期以外の女性たちは、よりソフトで中性的な顔立ちを好んだ。


この傾向は、日本人女性だけでなく、イギリス人女性など他国の女性たちに共通して見られた。

 

という結果が出ています。








なぜそうなるのかを考察


 ヒトの女性の排卵期とは、他の哺乳類でいうところの発情期です。


(ちなみにヒトの女性は、発情期の兆候をわざと隠すことでより優秀な子孫を残すという戦略をとってきました。この話はまたあとで。)




 ヒトも含めたあらゆる哺乳類は、排卵期(発情期)になると、より優秀で健康的な遺伝子をもつオスを求めます。



 それは、その優秀で健康的な遺伝子をもつオスと交尾し、その遺伝子と自分の遺伝子を受け継いだ優秀で健康的な子孫を残すのが、生物としてのメスの至上命題だからです。これはオスも同じことです。(倫理的にどうとかという話はここでは置いておきます。)





 しかし、子孫を残すために交尾するオスと、その子孫を育ててもらうオスが違うことが、他の哺乳類ではけっこう当たり前にあるのです。




 その理由はこんな感じになるでしょうか。



 優秀なオス(の遺伝子)は他の多くのメスからも求められるため、そのオスの子どもを身籠ったとしても、自分と子どもだけに食糧を供給してくれたり、敵から守ってくれる保証はどこにもありません。


 それであれば、遺伝子は優秀ではないけど自分たちに献身的に資源を分け与えてくれるオスを確実にそばに置いておけば、子どもと自分の生存率は高まります。




 つまり哺乳類のメスは、優秀な遺伝子を持つオスと献身的なオスという、2種類のオスたち(2匹だけというわけではない)と関係をもつことで、より優秀な子孫を確実に育ててていくという戦略をとっているのです。




 人間の女性が妊娠可能な排卵期に、男性ホルモンが豊富で健康的な証である男らしい男性の顔を好み、それ以外の時期には優しそうな顔立ちの男性を好むのは、先ほどのような哺乳類としての本能によるものだと考えられます。




 日本や多くの国では一夫一婦制が文化として定着していますが、より優秀な子孫を残していくという生物としての本能には抗えないようですね。





 先ほど少し出てきた発情期を隠すという戦略により、発情期(妊娠可能な時期)をオスに悟らせないことで、いつでも妊娠できる状態に見せかけて、遺伝子をもらうための本命のオスと、その子孫を守り育ててもらうためのオスの両方を繋ぎ止めておくことができるのです。


 いつでも妊娠できる(ように見える)ということは、誰との交尾で妊娠したか正確には分からないということ。


 つまり、本命のオスの子どもを身籠もっても、本当は誰の子どもなのかオスたちには分からないから、(自分の子どもだと勘違いしている)献身的なオスからも子育ての資源を分け与えてもらえるのです。




 実際にはメスも、誰が本当の父親なのか分からないそうです。頭では理解できないほど、私たちの体は巧妙な働きをしているのです。



 本命のオスと同時期に他のオスと交尾していたら、本命以外のオスの子どもを妊娠するリスクもあるじゃないか、という疑問もあるかと思います。



 確かにそのリスクもありますが、メスの膣内や子宮内ではメス本人が分からないレベルで、優秀な遺伝子をもつ精子の選別が行われているといいます。


 イメージとしては、優秀な遺伝子をもつ選ばれし精子たちだけに卵子との謁見が許される感じでしょうか。それ以外の精子は膣から排出されるか、膣内で殺されます。




 子育ての話は人間以外の哺乳類に限ったことではなく、私たち人間の世界でも、自分の子どもではない子どもを育てている父親が20〜30%いるという調査研究もあるのです。しかもこれは、先進国での調査研究です。








あとがき


 女性は排卵期に好みの男性の顔が変わるという話から、だいぶ飛躍してしまいました。



 とりあえずわれわれ男性陣は、5〜3人に1人は、別の男の子どもを育てている可能性があるということを覚えておきましょう。



 今はDNA鑑定も、少しお金を出せば一般人でもできるようになってきたので、どうしても疑ってしまうという人は試してみるといいかもしれません。



 その結果、家庭がどうなろうと責任は持てませんが。


 知らぬが仏という選択も全然アリだと思います。




 そもそも、本命にはなれなくても、少なくとも献身的なオス(夫)としてメス(妻)には認められたわけですし、その子どもを守り育てる見返りとして妊娠する可能性の低い交尾(セックス)もさせてもらえているのですから、悪くないのではないかと思います。




 もし妻や彼女の性欲が強くなり自分を求めてきた時期が、彼女たちの排卵期あたりと重なっていたら、自分の遺伝子を求めている=本命のオスだと見なされている可能性が高いと言えるでしょう。




 まだ体の関係を保てている男性陣は、そのあたりもチェックしてみるといいかと思います。





 それではまたお会いしましょう。







【参考文献】

ヘレン・フィッシャー『人はなぜ恋に落ちるのか? 恋と愛情と性欲の脳科学』2007年(ヴィレッジブックス)






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