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「影響力の6つの武器を知る②」

更新日:2022年4月14日




 いつもお世話になっております。孫平です。


 今回は、前回の影響力の6つの武器の続きで、後半の3つについて簡単にお話ししていきたいと思います。





 それではさっそく参りましょう。









④好意


 4つ目の武器は、好意です。例えばみなさんが、自分の好きな人や、気心の知れた友人から何かを勧められたとしたら、どう思うでしょうか。

 

 おそらく、そこまで深く考えることもなく、この人が言ってるんだからきっと良い物に違いない、と思うのではないでしょうか。



 これが、好意の力です。つまり、自分が好意を抱いている人の要求は承諾しやすいのです。



 そしてこの好意の対象は、恋人や友人だけでなく、次のような特徴をもった人にも当てはまることが分かっています。





 まず1つが、外見的魅力のある人です。これはいわゆる、ハロー効果の働きによるものですね。



 以前に、ハロー効果について書いた記事があるので参考にしてみてほしいのですが、一応復習です。


 その人の際立った特徴、例えば顔が良いとか、スタイルが良いとか、服装が良いとか、声が良いとか、そういった一つの特徴的な要素を見ると私たちは、性格や頭の良さなどその人の全体も良いものだと評価してしまうのです。



 そしてこのハロー効果が、好意に繋がっていくわけです。




 2つ目が、類似性です。これもみなさんよくお分かりだと思いますが、私たちは自分と共通点がある人のことを好ましく思う傾向があります。


 似たような趣味や価値観や嗜好、はたまた出身地が近いとか、年齢が近いとか、ピッタリ共通していなくてもなんか似てるかも、と思えば(思わせれば)、私たちはその人に対して自然に好意を抱くものなのです。





 3つ目が、接触頻度の多さです。これはいわゆる、単純接触効果ですね。


 単純接触効果とは、私たちは、たくさん会った人や、たくさん目にした物に対して好ましい印象をもつという心理作用のことです。


 営業マンが客先に何度も通ったり、企業の看板を車通りの多い目立つところに立てたり、同じCMを何度も流したりするのは、この単純接触効果によって好意をもってもらうことを狙っているわけですね。


 一応補足ですが、単純接触効果は、そもそも相手からマイナスイメージをもたれている場合はさらに嫌われるということに繋がりますので、ご注意下さい。










⑤権威


 5つ目の武器は、権威です。私たちはこの権威にとても弱く、例えば、「ハーバード大学が証明した」とか、「〇〇界の権威、〇〇博士、〇〇教授が推薦する」とか、「NASA」とか「WHO」とか、文字通り権威のあるものには従いやすくなるのです。



 ここまで世界的な権威でなくても、私たちが日常を送る中でも、実は知らず知らずのうちに権威の影響は受けています。



 日常に潜む代表的な権威は次の3つです。



①肩書き

②服装

③自動車



 どれも、言われてみれば納得するものばかりではないでしょうか。


 この3つに共通するのは、社会的地位が表れやすいもの、だと言えるでしょう。そして、社会的地位が高いということは、当然権威があるということに繋がります。


 つまり、この3つのレベルが高い人には私たちは権威を感じ、彼らの要求に従いやすくなるというわけです。





 ではなぜ私たちはそこまで権威に弱いのかというと、結局それも自分が楽をしたいからです。


 一般的に考えて権威のある人や社会的地位が高い人は、頭が良く、行動力もあるなど、人として優秀である可能性が高いわけです。


 そのため私たちは、そういう優秀な人が主張していることなら間違いないだろう、とよく考えもせずに権威に頼って楽をするのですね。


 決して権威のある人を尊敬しているからではなく、あくまでも超自己中心的な思考に基づいているのです。









⑥希少性


 最後の六つ目の武器は、希少性です。これもみなさんよく目にしている、「期間限定」とか「数量限定」とか「タイムセール」とか「本日ポイント5倍」といったやつですね。


 こういう情報を見ると、なぜそれほど欲しくもない物でも買ってしまうのでしょうか。



 それは、私たちは「損することを非常に嫌う生き物」だからです。



 希少性を持ち出されると、この機会を逃したらもうこの商品は手に入らなくなるかもしれない(商品を手に入れる機会を失う)、もうこの値段で買えなくなるかもしれない(安く買える機会を失う)、というような損を避けたくなるのです。



 希少性は文字通り希少であることで、私たちの心を惑わせてきます。


 そのため、「有料会員限定」とか「ファンクラブ会員限定」とか、誰でも手に入れられるものではない貴重な物や情報に対しても、先ほどのそれを手に入れる機会の損失を避けたいという衝動に駆られるのです。



 少し冷静になって考えてみれば、その物や情報を手に入れる機会の損失よりも、一時の衝動に駆られて欲しくもない物や情報に払う損失の方が大きくなる可能性が高くなるはずです。



 それでも私たちがそれを抑えきれずに希少性に負けてしまうのは、それだけ「損失回避」の心理が本能に強力に根付いているからでしょう。






 以上、ここまで影響力の6つの武器についてみてきました。



 今後はこの基本を押さえた上で、じゃあ実生活で使っていくにはどうすればいいのか?ってところをお話しできればと思っています。





 それではまたお会いしましょう。







【参考文献】

ロバート・B・チャルディーニ『影響力の武器 第三版』2014年(誠信書房)


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