いつもお世話になっております。孫平です。
タイトルの質問に答えは、ズバリ「YES!」です。
今回は、幸福研究の第一人者である、ハーバード大学の心理学者ダニエル・ギルバートの研究結果をみていきたいと思います。
人間はみんな、幸福になるのが得意⁉︎
まず明らかになったことは、私たちがふつうに考える幸福になりそうな出来事は、実際はさほど私たちの幸福には影響を与えない、ということです。(例えば、収入が増えるとか、志望校に受かるとか、恋人ができるとか、子どもが生まれるとか)
より正確に言えば、一時的に幸福にはなるが長続きしないのです。
最近の研究では、3ヶ月以上にわたって幸福に影響を与えるような体験はほとんどない、ということが分かってきたそうです。
そしてこれは逆も然りなのです。つまり不幸な体験も、一時的に気分が落ち込むことはあるが、しばらくすれば復活して以前のように戻るのです。(このようなことは、おそらくみなさんも経験があるでしょう。)
人間は、良いことも悪いこともしばらくすれば慣れてしまう生き物のなのです。
そして私たちは、自分が思っている以上に逆境から立ち直る力があり、打たれ強いようなのです。
幸福になるための方法
では、私たちが幸福になるためにはどうすればよいか、その具体的な方法をみていきましょう。
①挑戦する
人間にとっての不幸な状態の一つに、脳が飽きている、ということが挙げられます。私たちの脳は、非常に飽きっぽく退屈を嫌います。
そのため、定期的にチャレンジングなことをして、脳に刺激を与えてあげることが大切になります。
挑戦・チャレンジと聞くと、何かとてもハードルが高いように感じますが、例えば「いつもと違う道を通ってみる」とか「利き手とは逆の手を使って食事をしてみる」とか、そんな些細なことでも脳には良い刺激になります。
また、部下や子どもへの声かけも、賞罰による動機付けではなく、挑戦を感じさせるような動機付けをした方が、はるかに幸福度が高くなることも分かっています。
②良好な人間関係をつくる
幸福の要因に関する数多くの文献に共通しているのが、「社会性」だといわれています。
つまり、家族や友人・仕事関係の人たちとの絆の強さが、幸福に大きな影響を与えているようなのです。
では良好な人間関係をつくるにはどうすればいいのかというと、この問題だけでいくつもの記事が必要になるので、今回は割愛します。
とりあえず覚えておいてほしいのは、収入とか社会的地位とか健康とかよりも、良好な人間関係の方が幸福においてははるかに重要だということです。
③ごく小さな幸せを毎日見つける
心理学者エド・ディーナーの研究では、「幸福な体験の頻度」の方が「幸福な体験の大きさ」よりも、幸福に与える影響が大きいことを明らかにしました。
私たちは、幸福度が大きい体験、例えば、社長になるとか、有名俳優と付き合うとか、宝くじが当たったとか、そういうインパクトの大きい体験が幸せには重要だと考えがちですが、それは科学的には間違いだったのです。
ごく小さな幸せを感じる出来事、例えば、子どもが笑った顔が愛らしいとか、夫が家事を手伝ってくれたとか、ぐっすり眠れて体調が良いとか、天気が良くて気持ちいいとか、なんでもいいのですが、そうした小さな体験をたくさんすることが、幸福に強い影響を与えていたのです。
つまり、毎日小さな良いことを10回体験する人の方が、とても素晴らしい体験を1、2回する人よりも幸せである可能性が高いのです。
小さな良いことで、とても効果的なことがあります。
それは「親切」です。他人を助けてあげることは(万が一相手の役に立っていなくても)、自分自身の幸福度の向上には確実に役立ちます。
まとめると、
①挑戦する
②良好な人間関係をつくる
③毎日小さな幸せを見つけ、他人に親切をする
ということになります。
③あたりは今日からでもすぐにできそうな感じですね。
みなさんも是非試してみて下さい。
【参考文献】
ダニエル・ギルバート『明日の幸せを科学する』(2013年)早川書房
ハーバード・ビジネス・レビュー編集部『幸福学』(2018年)ダイヤモンド社
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