いつもお世話になっております。孫平です。
今回は幸せに関する誤解の2つ目で、「貧乏だと幸せになれないのか、そうでないのか」という話になります。
貧乏=お金が少ない状況は、一般的には様々な点で不利になり苦労することも多いため、幸せとは程遠いような感じがしますが、実際のところはどうなのでしょうか。
今回も、ソニア・リュボミアスキーの研究を参考にして解説していきたいと思います。
それではさっそく参りましょう。
収入と幸せの関係
まず、収入が増えると幸福感が増すというのは、半分本当です。
お金があれば、より便利で裕福な生活が送れ、社会的に認められたり敬意を払われることもあるでしょう。
医療・健康面や安全面でもより優れた商品やサービスが受けられ、質の高い教育を受ける機会にも恵まれます。
また、貧困や飢餓や不衛生な環境など、非常にネガティブな状況で生きている人々にとっては、ほんの少しでも収入が増えてネガティブな状況が改善されれば、幸福度は確実に増します。
しかし、収入が3倍になっても幸福度が増えなかったというような、収入の増加は幸福の増加にほとんど寄与しないという研究も数多くあります。
前回のブログでも書いたように、人は時が経つと贅沢や裕福な生活に慣れてしまい、もっと上、もっと上と、欲望に際限がなくなってしまいます。
また、もっと裕福な人や貧しい人と自分を比較するようになり、今ある幸せを感じにくくなり、常に他人との比較の中で生きていくことになります。
そのような状況では、裕福になり過ぎたが故に不幸になってしまったと言わざるを得ません。
どうやらお金による幸福度の増加は、貧乏な人ほど大きく、裕福な人ほど小さくなると考えられそうです。
お金がないと幸せになれない?
貧乏な人の収入が増えれば、現在のネガティブな状況が改善され、その結果として幸福度は増します。
それは今よりも、医療面や健康面でよりよいサービスが受けられたり、快適に暮らせる住居や商品を使えたりすることによるところが大きいです。
それでは、貧乏な人の収入が増えず、快適な生活を送ることができないとしたら、もう幸福になるための方法は残されていないのでしょうか。
答えはもちろんNOです。
それではここからは、お金がない中でも幸福を感じながら暮らしていくための方法を紹介していきましょう。
お金がなくても幸福は感じられる!
快適さを求める前に、まずはマイナス要素を減らす
裕福な人がもっと裕福になる幸せよりも、貧乏な人が少しだけ快適に暮らせる幸せの方が大きいのは先ほど述べた通りです。
そしてこれは、貧乏な人の暮らしを細分化した中にも同様に言えることです。
例えば極端な話、テレビは持ってるけど清潔な布団や服は持っていない貧乏な人が、布団や服は買わずに新しいテレビを買うというようなお金の使い方は間違っているということです。(ある程度満たされているものにお金を使っても幸せの増加は小さい)
この場合、清潔で健康に過ごすための布団や、仕事をより上手くやるための人間関係にも影響する服を買うことが先決になります。(この場合でも、本人が今の布団や服にある程度満足していたら、やはり幸せの増加は小さくなる)
貧乏な人の例で考えましたが、これは人並みの生活を送っている人にも同様に言えることです。
最新型の家電や車、高級ブランド品を頑張って買うよりも、現在の生活で不快に感じていることをなくすためにお金を使う方が、より幸せを感じられるのです。
「物」よりも「経験」にお金を使う
これはこのブログでも何度か書いていることで、お金で幸せを買うための定番の考え方ですね。
経験が物よりも優れている点をあげてみます。
・物は変化することがないため、人は物に慣れたり飽きたりする。しかし、経験は良いものも悪いものも、時が経つほど良い思い出に変わり、それを何度でも懐かしみ楽しむことができる。
・経験には一般的に他者との関わりがある。人間は社会的な生き物であり、他者との社会的な繋がりは幸福に大きな影響を与える。
・自分が所有している物は他の人と比較しやすいが、自分の経験と他人の経験を比較するのは難しい。
・経験には、努力したり挑戦しなければ味わえないこともある。苦労して達成したことは、人に大きな幸福感をもたらす。
ひとつ注意すべきなのは、「物は経験に変えられる」ということです。
例えば、グローブやバットを買うのは野球という経験をするためです。
高級車も、家族とより安全で快適なドライブの時間を過ごすという経験を得るために買っているとも言えますし、高級ブランド品を身に纏うのも、相応のドレスコードでないと入れないお店でサービスを受けるとか、地位の高い人たちと交流するという経験を買っているとも言えます。
「その物を買って、何を経験したいのか?」
その質問に自分が答えられないのならば、その物はみなさんの幸福感を高めてくれない可能性が高いでしょう。
小さな楽しみを頻繁に味わう
旅行に行くなどの、年に数回あるかないかという「大きな楽しみ」をたまに味わうよりも、ハーゲンダッツを食べるとか、好きな映画を観たり音楽を聴くとか、近くの日帰り温泉に行くとか、友人と遊ぶとか、比較的何度でも経験できる「小さな楽しみ」を頻繁に味わう方が、お金がないのならコストパフォーマンスはいいです。
なぜなら、旅行のような「大きな楽しみ」も、なんでもない日に食べるデザートのような「小さな楽しみ」も、幸福のMAXは最初の方だけだからです。(人は幸せに慣れてしまうから。しかもピークだけ見れば、デザートの幸せは旅行の幸せに引けをとらない。)
だからこそお金がないのなら、大きな楽しみ1回に多額のお金を使うよりも、その資金を小分けにして、小さな楽しみを100回分味わった方が、99回も多く幸福な瞬間を味わえるというわけです。
もちろん、だからといって旅行のような「大きな楽しみ」は味わう意味がなくてお金の無駄だということではありません。「大きな楽しみ」には「大きな楽しみ」でしか味わえない幸せがあります。
しかし、お金がない人だけでなく、人並みの暮らしをしている人にとっても、「大きな楽しみ」は頻繁に味わえることではないでしょう。
だからこそここで「小さな楽しみ」でも「大きな楽しみ」と同じぐらい心が満たされるということを知っていれば、日々の暮らしでは「小さな楽しみ」を味わいながら倹約しつつ、ここぞというときに「大きな楽しみ」を味わうことができるはずです。
つまり、「小さな楽しみ」と「大きな楽しみ」のどちらも捨てることなく、一年中幸せを感じながら過ごすことができる、かもしれないというわけです。
すでに持っている物を使う
もう一度言いますが、物それ自体がもたらす幸せは長続きしません。
重要なのは「物」ではなく「経験」です。
しかし私たち人間はとても飽きやすく、目新しい物に心を奪われてしまう傾向があります。
何か刺激が欲しくなって、新しい商品が欲しくなったときは、私たちに長く幸せを感じさせてくれるのは「経験」だということを思い出して下さい。
そしたら、今まさに欲しいと思っている商品によって経験できることは、おそらくすでにみなさんが持っている物でも経験できるはずです。
「幸福はリサイクルできる」ということを忘れないで下さい。
買わなくたって借りればいい
幸せを感じるために大切なのは「経験」であるということは、借りられる物はわざわざ買う必要がないということでもあります。
ときどき、自分の物にならないと気が済まないという人がいますが、自分の所有物となった幸福は長続きしません。その人にもいずれ飽きがきて喜びは減少していきます。
お金がないのであれば、「買う」のではなく「借りる」という方法も検討してみて下さい。
借りることは、物を所有することに付き物の、維持費や修理代、保管場所にかかる費用から解放されるというメリットもあります。
本当に価値があるのは、借りた物によって得られる「経験」であることを忘れないで下さい。
今回は、お金がなくても(お金を使わなくても)幸せになれる、ということについてみてきました。
人並みの暮らしをしている人にとっても、無駄なお金を使わずに幸せを得られるヒントがあったと思いますので、是非参考にしてみて下さい。
それではまたお会いしましょう。
【参考文献】
ソニア・リュボミアスキー『リュボミアスキー教授の 人生を「幸せ」に変える10の科学的な方法』2014年(日本実業出版社)
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