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「お金持ちになれば幸せになれるのか?」

更新日:2022年6月28日




 いつもお世話になっております。孫平です。



 今回は、幸せにまつわる誤解ということで、私たちがよく信じてしまっている「〜になれば幸せになれる」「〜になったら不幸になる」という幸福神話についてみていきたいと思います。




 まず最初に取り上げるのは、おそらく私たちが一番最初に思い浮かぶであろう幸福神話、「お金持ちになれば幸せになれる」です。






 それではさっそく参りましょう。








人間は飽くなき欲望の塊?


 まず結論から言ってしまうと、お金持ちになったとしても「必ずしも幸せになれるとは限りません」



 もっと正確に言えば、「一時的な幸福感は感じられるが、お金をたくさん持っていることによる幸せは長続きしない、幸せの増加にはほとんど寄与しない」ということになります。






 例えば、以前より収入が増えたり、良い車に買い替えたり、良い家具や家電製品に買い替えたりした経験は、みなさんにもあるかと思います。

 


 そこで思い出してほしいのが、「そのときの幸せがどれくらい続いたか」ということです。



 おそらく、たいていの場合は数ヶ月から長くても1年程で、1年以上経ってもまだそのときの幸せを感じているなんてことはほとんどないのではないでしょうか。





 この原因は、人間に備わっている「快楽適応」という能力にあります。



 これは、人間が良いことにも悪いことにも慣れていく能力で、例えば、非常に辛い環境や出来事(貧困や病気など)があっても、そのマイナス分をプラマイ0まで戻して生きていけるスゴい能力でもあります。





 しかしこの能力は、お金をたくさん持つようになり裕福な生活ができるようになったという、人生においてはプラスな環境や出来事さえも、いずれはプラマイ0にしてしまうのです。





 それどころか、これまでの研究結果からは、「極端にポジティブな出来事を経験した後は、友人とのランチや家族団欒の時間などのささやかな幸せを、平凡でつまらないと感じてしまい、渋滞にはまってしまうといった小さなネガティブな出来事に対して、非常に大きなストレスを感じるようになる」ことが分かっているのです。





 

 どうやら私たち人間は、良くも悪くも飽くなき欲望をもつようにできているようです。




 お金持ちになって裕福な生活ができても、時間が経つとそれに慣れ始め、すでに手に入れてるものや環境だけでは満足できなくなり、「もっと裕福になればさらなる幸せを得られるだろう」と、もっと良いもの、多くのものを手に入れようとあがきはじめるのです。









物質主義は不幸の始まり


 「もっと裕福な生活ができればもっと幸せになれる」という考えが行き過ぎると、物質主義者の道に足を踏み入れることになります。



 物欲や物質主義に関する研究は山のようにあるようですが、そこから物質主義者に共通して分かっていることがあります。






・人生の満足度が低い


・感謝の気持ちを持つことが少ない


・非社交的で他者との結びつきが弱い


・他人を助けたり、コミュニティに貢献する気持ちが低い


・環境に優しい行動をとらない






 お金や名声を求めすぎてしまうと、例えば、我が子と遊んだり、パートナーとゆったり過ごしたり、仕事とは関係のない本をゆっくり読んだりといった行動が、「もったいない」と感じてしまいます。



 つまり、「そのようなことをする時間があるなら、お金を稼ぐ時間に使った方がいい」という気持ちになってしまうのです。




 このような状態が、人生の満足度の低下に影響していることは言うまでもありません。







 それでは私たちは、お金持ちになったら必ず不幸になるかというと、もちろんそんなことはありません。



 お金には、私たちが幸せになるための「適切な使い方」があるのです。








幸福感を高めるお金の使い方3選




①他人のためにお金を使う


 ブリティッシュ・コロンビア大学のエリザベス・ダンらの研究から、「他人へのプレゼントや慈善事業への寄付にお金を使えば使うほど、幸福感が高まる」ことが分かっています。



 またこの研究からは、「自分のためにお金を使うことは、幸福とは無関係である」ことも明らかになっています。



 これは、他人に親切にすることで、他者との繋がりや社会に属している感覚がより感じられ、自尊心も満たされるため、結果として幸福感が高まるのです。




 ちなみにエリザベス・ダンは、「他人への親切な行動(お金を使うことだけでなく)は、人が長期的かつ大きな幸せを感じるための、最も強力な方法」だと述べています。







②時間を手に入れるためにお金を使う


 例えば、今は少なくなっていると思いますが、飲み会の帰り道に電車やバスではなく、タクシーを使う。


 早く帰れた分、家族との時間を過ごしたり、将来のための勉強にあてたり、体調を整えるための睡眠時間にあてたり。



 公共交通機関ではなくタクシーを使えば、出費はかなり増えますが、その分自由に使える時間は増えます。



 つまり、お金で時間を買って、買った時間で幸せにつながることをする、という考え方ですね。



 世の中には、お金で時間を買う商品やサービスがたくさんあります。(ルンバとかネット宅配スーパーとか)




 買った時間で有意義なことをしなければ、ただの無駄遣いになりかねないので、その時間で何をするのかという明確な目的意識を持つことが必要でしょう。








③お金は先払いして、後で商品やサービスを楽しむ


 おそらくみなさんにも経験があるであろう、「旅行そのものよりも、旅行を計画していた日々の方が楽しかった」という感覚。



 これは、様々な研究からも明らかになっている、私たちに共通している正しい感覚です。




 人間は、想像し、妄想し、それを楽しむことができる生き物です。




 だからこそ、お金を払ってすぐに楽しめる商品やサービスではなく、先払いして商品やサービスを受けるまでに「ワクワク感」を感じられる期間があるものにお金を使った方が、幸せを感じられるはずです。



 

 しかし、私たちはこれとは真逆のことをしています。



 商品やサービスを「クレジットカード」で購入し、買ったものを今楽しんで、後で支払っているのですから。



 「すぐに得られる喜び」が長続きすることはありません。



 そのため、さらなる快楽を求めて再びクレジットカードで買い物をしてしまうわけです。



 ちなみに、現金よりもクレジットカードを使った方が、買い物の金額が大きくなることも多くの研究から明らかになっています。(現金を手放す痛みが伴いにくいのと、後払いというシステムのせい。時間割引という、将来の価値やコストを過小評価する本能が人間には備わっている。)





 何か欲しい商品やサービスがあったら、その気持ちをワインのように「熟成」させる意識を持つといいでしょう。


 そうすれば、それが手に入らない時間が、想像と妄想を膨らませられるワクワクした時間に変わります。すぐに手に入れて楽しむなんて非常にもったいないことです。










 私たちの幸せは、収入がどれぐらい多いか、どれぐらい裕福な生活を送っているかで決まるわけではありません。



 「その収入をどのようにして使っていくか」が大切なのです。






【参考文献】

ソニア・リュボミアスキー『リュボミアスキー教授の 人生を「幸せ」に変える10の科学的な方法』2014年(日本実業出版社)







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