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「学習の極意①ーポモドーロテクニック」

更新日:2022年4月11日




 いつも大変お世話になっております。孫平です。



 今回から、「学習の極意」というシリーズでやっていきたいと思います。


 記念すべき第1回目は、もはや学習法における定番といえる「ポモドーロテクニック」についてお話ししていきたいと思います。



 おそらく、この「ポモドーロテクニック」を実践するだけでも、みなさんの学習効率は大幅にUPするはずです。





 それではさっそく参りましょう。








最も強力且つ簡単な学習法「ポモドーロテクニック」


 まずは、みなさんがこの学習法を忘れてしまったときに思い出しやすいよう、ポモドーロテクニックの名前の由来から。



 「ポモドーロ」とはイタリア語で「トマト」のことで、丸いトマトの形をしたキッチンタイマーからきています。1980年代に、イタリア人のフランチェスコ・シリオという人がこの学習法を考案しました。



 もう一度言いますよ、ポモドーロとは「丸いトマトの形をしたキッチンタイマー」のことですよ。


 はい、これで「あの学習法なんだっけ?」ってなってもすぐに思い出せますね。






 それでは本題に入りましょう。まずは、この学習法の流れを簡単に説明していきます。




 

①これから勉強や仕事をしようとする場所から、集中を阻害するものや、誘惑になりそうなものを排除する。(多くの人にとってはスマホがそれに当たるだろう。)




タイマーを用意し、25分に設定する。タイマーはアナログ式でもデジタル式でもかまわないが、スマホで代用する場合は必ず視界に入らないところに置く。





タイマーが鳴るまでの25分間、できる限り集中して勉強や仕事に取り組む。(何かに気が散ってしまっても、再び目の前のことに意識を戻すようにする。)





タイマーが鳴ったら、5分間のご褒美タイムをとる。この時間は自分の好きなことをしていい。仮眠をとる、音楽を聴く、コーヒーを飲む、散歩をする、ペットと触れ合うなどなど。ただし、スマホをいじるのだけは避けた方がいい。(詳しくは後述する。)





25分間集中して、5分間休憩するのを繰り返す。例えば、2時間集中して勉強や仕事にとりかかりたいのなら、この25分集中5分休憩を4回繰り返せばいい。

 



 たったこれだけですが、どうでしょうか。めちゃくちゃシンプルですし、今日からすぐにでも実践できそうですよね。









なぜ「ポモドーロテクニック」は有効なのか?


 こんなに簡単な方法なのに、なぜ効果があるのか。その点について、いくつかの特徴をお話しします。






・いつ終えてもいいという明確な区切りのない状態で学習するよりも、25分というゴールを設定し、短い時間で瞬発的に全力集中し、小休憩をはさむことを繰り返す方が、はるかに学習が長続きするし効率がいい。人間が物事に集中できる時間には限界がある。





・強制的に5分間の小休止をとることは、脳を休ませるためである。脳の休息によって、学習したての内容が長期記憶の領域に移されていく。小休止の効果を軽く考えているのか、多くの人たちがこの過程を省略してしまっている。






・25分間という一定時間、強制的に集中することで、取り組んでいる勉強や仕事の未来の「結果」ではなく、今この瞬間の「過程」にこだわるという思考になる。どんなに優れた結果も、元を辿ればひとつひとつの質の高い「過程」の積み重ねで成り立っている。






ご褒美がある(5分間の小休止の間お菓子が食べられるとか、自分にとってご褒美だと思うものならなんでも)という気持ちは、25分間全力集中するうえでバカにならないぐらい強力である。






この学習法は適応性が高いため、個人のレベルによって時間をいかようにも変えられる。25分よりもう少し長く集中できるという人なら、40分とか45分とかでもいい。学習時間の長さによって、休憩時間も調整していく。ただし、長く学習して少し長めに休憩した場合(逆に短くし過ぎた場合も含めて)、本人の自覚がないまま実は効率が落ちていたなんてこともあり得るため、最初は基本の「25分+5分で1セット」を繰り返して様子をみてみよう。










最大のポイントは「マルチタスクを予防できる」こと


 ポモドーロテクニックのそれぞれの作業は、実はマルチタスクを予防することにつながっています。



 マルチタスクとは例えば、仕事の文書を作成しながら上司や取引先からメールが来たら返信するとか、テスト勉強をしながらLINEが来たら返信するとか、テレビを観たり音楽を聴きながら勉強や仕事をするというのもマルチタスクです。



 仕事がデキる人のイメージは、複数の仕事を同時並行して結果を出している、つまりマルチタスク=デキる人というイメージになってしまっています。



 しかし、天才だろうが凡人だろうが、どんな人でもその一瞬一瞬は「一つのことしかできない」のです。


 いくら自分が複数の作業を同時にこなしていると思っていても、1秒単位、0.1秒単位まで分解していけば、その一瞬一瞬は「一つのことしかしていない」のです。


 つまり、マルチタスクは幻想、本人の単なる思い込みなのです。




 では、マルチタスクはシングルタスクよりもダメなのでしょうか。


 答えは「YES」です。



 


 例えばテスト勉強をしながら、ときどきスマホの通知をチェックしているとしましょう。


 そのとき脳の中では、テスト勉強モードからスマホチェックモードへの切り替え作業が行われ、再びテスト勉強に戻る際は逆の切り替え作業が行われます。


 この切り替え作業中、僅かながらも時間とエネルギーが失われます。これは「スイッチングコスト」と呼ばれています。


 たった1回なら大した損失ではありませんが、マルチタスクをしている人はこの切り替え作業を短いスパンで何度も何度も繰り返しています。


 本人は、複数のことを同時にこなして、効率良く作業ができていると思っているかもしれませんが、塵も積もれば山となるで、溜まりに溜まったスイッチングコストがパフォーマンスを大きく低下させてしまっているのです。


 これが、マルチタスクがよくない理由です。






 マルチタスクの話が長くなりましたが、もう一度ポモドーロテクニックに戻ってみましょう。





 

 まずポモドーロテクニックの最初の作業は、気が散るものを排除することです。


 25分間、勉強や仕事に集中するために、気が散って知らない間にマルチタスクにつながってしまうものを極力なくすのです。


 だからこそ、スマホやテレビやあるだけで気が散ってしまうものを視界に入らないようにすることが重要なのです。



 また、作業をする場所にも当然注意が必要です。絶えず人の動きがあったり話し声や音楽が聞こえるような場所は、気が散ってしまいマルチタスクにつながってしまうため、ポモドーロを使うにはふさわしくありません。


 自宅の中に集中できる場所がある人はそこで、自宅では家族の関係上難しいという人は、やはり図書館がいいでしょう。



 面倒かもしれませんが、ここをしっかりクリアできれば、ポモドーロテクニックによる学習効果の80%は保証されたと言っても過言ではありません。逆に、この作業をなおざりにしてしまうと、大した効果は得られないでしょう。


 集中するための「環境設定」がめちゃくちゃ重要なのです。







 次に、25分間という時間を設定して、勉強や仕事にとりかかります。


 このように、1つの小さなゴールがあることで、別のことに気が散る気持ちを抑えるのが容易になり最後まで集中できます。


 25分という時間も長過ぎず短過ぎず、人間が集中力を最後まで保てるちょうどいいラインになっています。







 その後5分間の小休止が入りますが、ここでも5分という明確な区切りがあることで、ダラダラといつまでも休むことなく、パフォーマンスを一定に維持することが容易になります。


 小休止のときはスマホをいじってはいけないと言いましたが、ラトガーズ・ビジネススクールのサンゴーン・カンと、テリー・クルバーツの研究から、「休憩中にスマホをいじっていた人は、いじっていなかった人に比べて、脳の回復が十分に行われない」ことが明らかになったのです。


 脳が回復する過程で、学習したことが長期記憶へと移っていくのですから、小休止の間にスマホをいじることは、先ほどまで頑張って学習したことを長期的に覚えられるチャンスを、みすみす逃していることに他なりません。


 そのため、小休止は自分へのご褒美の時間ではありますが、スマホをいじることだけは避けるべきなのです。





 このような点を意識してポモドーロテクニックを実践してみて下さい。








おまけ


 長くなってすみません、もう少しで終わります。




 勉強や仕事中に音楽を聴きながら作業をした方がはかどる、という人もいるかと思いますが、果たして実際のところはどうなのでしょうか。



 学生を対象にしたある研究によると、「音楽を聴きながら勉強した場合、聴かなかったときよりも学習速度が低下してしまう学生がほとんど」だったそうです。



 好きな音楽を聴いていると気分がアガるため、それが勉強がはかどっているという勘違いを生み出しているのかもしれません。


 実際は、勉強と音楽を聴くというマルチタスク状態になっており、スイッチングコストがどんどん溜まっていってしまうため、パフォーマンスの低下を招いているのでしょう。




 そのため、ポモドーロテクニックを実践するときも、音楽は流さない方がいいと言えそうです。







 集中するために、小さな音も耳に入れたくないという人もいるかと思います。


 そんな方は、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンや耳栓を使うといいでしょう。


 ただ、耳栓は長時間付けていると耳が痛くなってきたり、ノイキャンイヤホンも完全に外部の音を遮断することはできません。(今後、そういう商品は出てくるとは思います。)


 

 できるだけ完全に音を遮断したい人におすすめなのは、イヤーマフです。


 31デシベルペルターイヤーマフなら、装着感はどうしても否めませんが、赤ちゃんの泣き声も聞こえなくなるくらい音を遮断してくれます。







 ポモドーロテクニックは、普通にキッチンタイマーなどがあればすぐに実践できるものですが、専用のアプリも数多くあります。


 アプリの検索ワードに「ポモドーロ」と入れて検索をかければ、いろいろなものが表示されますので興味がある方は自分に合うのを探してみるのもいいかもしれません。





 今回はここまでです。


 それではまたお会いしましょう。






【参考文献】

バーバラ・オークレー、オラフ・シーヴェ『LEARN LIKE A PRO 学び方の学び方』2021年(アチーブメント出版)


フランチェスコ・シリロ『どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門』2019年(CCCメディアハウス)


デボラ・ザック『SINGLE TASK 一点集中術』2017年(ダイヤモンド社)

















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