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「ムカつく相手からできるだけストレスを受けないための心構え」


 いつもお世話になります。孫平です。



 あきらかに自分に非があるならまだしも、世の中には理不尽なことを言ってこちらにストレスを与えてくる輩もいるわけです。



 今回は、そんなムカつく相手と関わったときのストレスをできるだけ軽減するために、あらかじめもっておくといい心構えをみていきましょう。









上から目線の人は能力が低いから無視していい


 これは以前このブログの中でも紹介している、「ダニング・クルーガー効果」によるものです。



 米国コーネル大学の心理学者ダニングとクルーガーが行った調査(R)によると、ユーモア、文法、論理のテストを行い、それぞれの自己評価が高い人ほどテストの成績が悪かったとのこと。



 その理由については、「メタ認知」ができていないことが原因だと考えられています。メタ認知とは簡単に言えば、「自分のことを客観的に見る力」のことです。



 要するに、「こんな簡単なことも分からないなんて、ほんと仕事ができない奴だ」などと言ってくる奴ほど、自分の能力を過大評価している能力の低い奴である可能性が高い、というわけです。



 そのため、いちいち上から目線で話してくる相手とはまともに話す必要はなく、適当に聞き流しておけばいいと考えておきましょう。









地位の高い人ほど共感力がない


 オランダのティルブルグ大学の心理学者ランマーらの実験(R)では、「人は権威性をもつと共感力に欠け、自分には甘くなる一方、他人に対しては厳しくなる」「自分は嘘をつきやすくなる一方、他人の嘘は許せなくなる」ことが分かっています。



 先輩や上司の中には、人を傷つけるような言動を平気で行う人もいます。



 真面目な人ほど、「そういうことを言われる自分が悪いんだ」と落ち込み、自らを責めてしまいがちですが、「地位の高い人はそういうものだ」と割り切ってしまった方がよいでしょう。おそらくこちらを傷つける言動をした相手も、深い意味があってそのようなことをしたわけではないでしょう。









自分への批判は「当たっている」という誤解


 占い師がよく使っているものに、バートナム・ファアーという心理学者が明らかにした「バーナム効果」というものがあります。



 バーナム効果とは簡単に言えば、「あなたは〇〇な人です」と言われたら、それがどんな内容であっても自分に当てはまっていると感じてしまう心理現象です。



 ちなみにファアーの実験(R)では、学生に個別に心理テストを行ったのですが、実はその診断結果は全員同じ内容でした。しかし、その結果が自分にどれぐらい正確に当てはまっているかを一人一人の学生から5段階で評価してもらったところ、平均で4.26という結果が出たのです。



 要するに、何の根拠もないデタラメな診断結果に、ほとんどの人が自分によく当てはまっていると感じたというわけです。



 自分に対する批判も同じで、特定の誰かによる何の根拠もない批判であっても、バーナム効果によって「確かにその通りかもしれない」と感じている可能性があるのです。



 つまりそれは、バーナム効果によるただの思い込み・誤解かもしれないので、批判はあんまり真に受けなくてもよいのです。



 あまりに引きずってしまう場合は、友人などからの自分へのポジティブな意見を思い出すとよいでしょう。









イラッとしたら、10秒数える


 米国ノースウェスタン大学の心理学者フィンケルらの実験(R)によると、イライラする話を聞かされた後に10秒待ってから思ったことを話した場合、すぐに話すよりも、暴力的な言葉を使う頻度が半分以下になったそうです。



 その理由は、脳の前頭葉にあると考えられています。



 前頭葉は理性を司る部位、つまり怒りを抑える部位なのですが、この前頭葉にスイッチが入るまでには4〜6秒かかると言われているのです。



 そのため、イラッとしてから前頭葉が起動するまでの数秒間をなんとかやり過ごすことができれば、起こった出来事に対してより理性的に対処ができるわけです。



 「イラッとしたら、まず10秒」これだけ覚えておいて下さい。


 







イラッとしたら、左手を握る


 先ほどの「イラッとしたら、まず10秒」のテクニックと合わせ技でやってほしいのが、「イラッとしたら、左手を握る」です。

 


 米国テキサスA&M大学のピーターソンらの実験(R)によると、イラッとしたときに右手を強く握った場合は攻撃行動が多くなり、左手を強く握った場合はイライラが抑制されることが分かりました。



 この現象も脳のはたらきが関係しています。



 私たちの脳は怒りを感じると左前頭部が活性化します。そしてみなさんもご存知の通り、私たちの体の右半身は左脳が、左半身は右脳が司っています。



 そのため、怒りを感じたときに左手を強く握ると右脳が活性化し、左前頭部の活性化を抑えることになり、結果として怒りを最小限に抑えることができるというわけです。



 先ほどの10秒数えるテクニックと合わせて、「イラッとしたら、左手握ってまず10秒」これだけ覚えておけば、ムカつく相手が現れてもとりあえずの応急処置はできると思います。








 アンガーマネジメントはいくつも方法がありますが、今回は手軽なものをお話ししました。



 あたりまえですが、明らかに自分に非がある場合はしっかり謝罪して行動を改善していくべきです。



 自分の非を認めずに、ダニング・クルーガー効果だのバーナム効果などと言っていても、それはただの現実逃避でしかありませんので。





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