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「パンデミックは消費行動を変化させる」




 いつもお世話になっております。孫平です。



 だいぶ私たちの生活に浸透してきた感のあるコロナウイルスですが、今回はパンデミック下では人々の消費行動が変化する、というお話をしたいと思います。






 それではさっそく参りましょう。








感染症の流行で変化する消費行動


 米国疾病対策センター(CDC)、グーグル・フルー・トレンド、ニールセンの消費者パネルから得た2009〜2014年のデータを研究者たちが分析した結果、以下のようなことが分かりました。




 

・居住する地域でインフルエンザが流行すると、馴染みのあるブランドや定番商品の購入が増加した。





・今まで特定のブランドを好む傾向があった家庭では、インフルエンザ流行時にはその傾向がより顕著になった。





・全体的には、有名な定番ブランドの売上げはインフルエンザ流行時には過度に増加し、知名度の低いブランドの売上げは低下した。





・このような消費行動の変化は他の疾病では確認されず、感染症に特有のものだった。





・インフルエンザ流行時に定番ブランドや定番の商品を好む傾向は、食品だけに限らず、日用雑貨や家電製品などにも当てはまることが確認された。

 






 研究者らはこの結果に対して、



「感染の脅威が不確実性とコントロールを失う感覚を生み、人々はコントロールを取り戻そうとする時に、安心できる馴染みのあるものを求めるのではないか」



というふうに説明しています。









マーケティングに生かす


 以上の分析結果を踏まえると、私たちがマーケティングを考える際には次のようなポイントが挙げられそうです。






・感染症が流行しやすい冬季には、消費者にとって定番商品や馴染みのある商品を中心にプロモーションを行う。





・新商品のプロモーションは、感染症が落ち着く夏季に行う。








 商品によっては季節物もあるので、冬季と夏季に分けるのが難しい場合もあると思いますが、パンデミック下における消費者の消費行動の変化も参考にしてマーケティングしてみてはいかがでしょうか。




 この先も、コロナウイルスの変異型が度々現れるかもしれないですし、その際にも参考になるかと思います。






 今回はここまでです。



 それではまたお会いしましょう。






【参考文献】

"Disgusted and Afraid: Consumer Under the Threat of Contagious Disease," by Chelsea Galoni, Gregory S. Carpenter, and Hayagreeva Rao (Journal of Consumer Research, 2020)









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