いつもお世話になっております。孫平です。
タイトルのような質問をいただきました。
学生でも社会人でも、新しいグループや組織に入ったときにまず気になるのが、その場で力をもっているリーダー的存在が、いったい誰なのかということなのではないでしょうか?
人は社会的な生き物ですから、そのグループ内で上手くやっていき危険を回避するために、無意識にそのような思考が働くのかもしれません。
それでは、リーダー的存在を見抜く簡単な方法をご紹介しましょう。
誰が一番最初に話すか
結論から言うと、一番最初に話し始めることが多い人が、そのグループ内のリーダー的存在である可能性が高いです。
一般的に考えても、口火を切って会話をリードしようとする人は、他の作業もリードして取り掛かろうとすることが多いもので、そういう人はリーダーシップがあると考えられます。
カナダのウェスタン大学の、リチャード・ソレンティーノによる研究でも、グループ内で最初に発言する回数が多い人ほど、メンバーからリーダーに選ばれやすいということが明らかになっています。
このような人間の傾向をさらに利用するならば、もし自分がそのグループ内のリーダーになりたいのであれば、意識して一番最初に話し始めるようにすればいいでしょう。
逆に、できるだけ目立ちたくないのであれば、あえて自分から話題を提供する必要はありません。
周りの人が、誰の言動に合わせようとしているか
同僚たちとフランクに話していたら、近くにいた上司も会話に混ざってきた。
すると自分も含めた同僚たちは、先ほどまでのフランクな言葉遣いから、上司に対する丁寧な言葉遣いに変化した。
こんな経験はみなさんも頻繁にされていることでしょう。
何が言いたいかというと、人はそのグループ内で最も力のある人に態度を合わせようとする、ということです。
このような現象を心理学では、「シンクロニー」といいます。
先ほどの上司も、彼の上司に会ったときには、同僚たちと同じように「シンクロニー」がはたらくのは言うまでもないでしょう。
上司と部下のような上下関係が明らかな場合は、グループ内におけるシンクロニーを観察する必要はないでしょうが、表面上は同じ立場でもそのグループを牛耳っている(?)人は必ずいるものです。
そのようなお局タイプや影のリーダー的存在が登場すると、周囲のメンバーがその人の近くに自然に集まってきたり、その人が発言したことが話題の中心になるなど、意外と分かりやすいシンクロニーが観察できると思います。
自然に周囲のメンバーを引き寄せ、同調(シンクロ)させている人、そのような人がいたら、そのグループ内のリーダー的存在と考えてほぼ間違いないでしょう。
まとめ
リーダー的存在である可能性が高い人は、
①グループ内で、最初に話し始めることが多い
②他のメンバーを自然に集め、話すことが話題の中心になりやすい
ということになります。
こうして簡潔にまとめてみると、ごく当然の特徴ですよね。
ただ、新しくそのグループに加わったときなどは、緊張で周囲を冷静に観察することができないこともあると思います。
そんなときに、とりあえずこの2つのポイントだけ押さえておけば、いち早くグループに馴染むことができるはずです。
そのグループの中心人物と仲良くなり、認められることは、組織に属して生きていく上では非常に重要なことですからね。
それではまたお会いしましょう。
【参考文献】
Sorrentino, R.M. & Field, N. 1986 Emergent leadership over time: The functional value of positive motivation. Journal of Personality and Social Psychology, vol.50, 1091-1099.
La France, M. 1979 Nonverbal synchrony and rapport: Analysis by the cross-lag panel technique. Social Psychology Quarterly, vol.42, 66-70.
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